1998 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ反応場制御に基づくジアルキル多環芳香族炭化水素の選択的生成・分離
Project/Area Number |
10650768
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
進藤 隆世志 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (50162798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北林 茂明 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (90224964)
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Keywords | 触媒 / 多環芳香族 / 架橋粘土 / 吸着 / 分子錯体 / チオ尿素 |
Research Abstract |
多環芳香族炭化水素は既存の有機資源や石油精製プロセスなどの副生物に大量に含まれいるが,その高度利用は,未活用資源の有効利用の観点から,これからの触媒・化学プロセスの重要な課題の一つである。本研究は,分子サイズの異なる種々のアルキル多環芳香族の選択的生成・分離に関する基礎的知見を得ることを目的に,(1)細孔径および酸性質を制御した架橋粘土触媒を調製し,(2)架橋粘土触媒による選択的アルキル化条件の検索,(3)分子錯体形成試薬を用いるアルキル多環芳香族の分離法の開拓を企図している。本年度は本研究の開始年度あたり,主として架橋粘土の調製とそのキャラクタリゼーションを行った。 1. 架橋粘土触媒の調製に関する検討 架橋粘土の母材には酸性質の異なるフッ素四ケイ素雲母とモンモリロナイトを用い,イオン交換法によってアルミニウム多核水酸化物カチオンを粘土層間に導入した。調製した架橋粘土は主としてミクロ孔を有するが,細孔径分布は導入されるイオンの均一性と導入量に影響されることを,ガス吸着法および分子径の異なる有機分子をプローブとした吸着の観察から見いだした。これは,前述の二つのパラメータによってミクロ孔の分布が制御される可能性を示唆するものであり,さらに具体的な検討を続ける計画である。 2. 分子錯体形成試薬による分離の検討 異なる種類のアルキル基を有するジアルキルナフタレンのチオ尿素付加性を,付加反応の平衡定数を測定することによって検討した。チオ尿素は2および6位にアルキル基を有するナフタレンと付加物を形成するが,その安定性はアルキル基の嵩高さと対称性に依存し,対称性がよく,二つのアルキル基の嵩高さが類似しているほど,付加性に富むことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)