1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650774
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
真下 清 日本大学, 理工学部, 教授 (10059834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 元行 日本大学, 理工学部, 助手 (70256808)
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Keywords | 使用済みタイヤ / 石炭液化残渣 / 水素化分解反応 / 共反応 / NEDOLプロセス |
Research Abstract |
使用済みタイヤと石炭液化残渣の水素化分解反応 1. タイヤと石炭のコプロセッシングにより軽質化の促進されることが報告されている。一方、NEDOLプロセスにおいては約30%の石炭液化残渣(CLR)が副生し、その処理方法について検討する必要がある。そこで本研究では、CLRと使用済みタイヤの水素化分解反応を行い、軽質化への相乗効果について検討した。 2.粒径1.2mmのトラックタイヤのトレッド部と60mesh以下のCLRを試料とした。これらを単独、または混合したものを3g、およびテトラリン7.5gをオートクレーブに充填し、水素初圧60kg/cm^2とし、440℃で1時間の水素化分解反応を行った。反応生成物はガス(Gas;CO、CO_2、H_2O、H_2S、NH_4、C_1〜C_4の脂肪族炭化水素)、ヘキサン可溶分(HS)、ヘキサン不溶アセトン可溶分(HIAS)アセトン不溶分(AI)に分別し、これらの収率の合計と仕込量の差を揮発分(VM)とした。 3.図1にCLRとタイヤの単独の水素化分解反応の結果を示した。タイヤの反応においてHIASは生成せずAIは主にタイヤ中のCarbon blackであると考えられた。図1の結果と比べて、タイヤとCLRの混合反応による各成分収率の増減の変化を求め、図2に示した。タイヤとCLRを共に反応することによりHIAS、HSは減少しVM、Gasは増加した。HIASの減少はタイヤに含まれるCarbonblack、亜鉛、及び硫黄の触媒効果によりCLR生成物のHIASからHSの軽質化によるものと考えられた。また、CLRにはNEDOLプロセスにおける添加触媒(パイライト)および石炭灰分が含まれている。従って、これらの触媒作用により、タイヤ生成物のHSからVM、およびGasへの軽質化が促進されたと言えよう。
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