1999 Fiscal Year Annual Research Report
オンライン代謝経路網解析システムの開発と水素細菌によるPHB生産への応用
Project/Area Number |
10650789
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 和幸 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00150318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶 開明 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00253568)
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Keywords | オンライン制御 / 代謝システム解析 / バイオリアクター / 水素細菌 / PHB |
Research Abstract |
本研究では、微生物の代謝経路網解析を行い、プロセスの入出力データから、代謝流束分布をオンラインで推定する手法を開発し、あわせて、代謝反応を考慮しながら培養制御を行うバイオリアクターシステムを開発することを目的としている。このため、すでに微生物の代謝ネットワーク情報を信号伝達線図に変換し、プロセスの入出力と、代謝ネットワーク情報を結びつけることで、培養フェーズを分けることができることを実験的に示しており、これをオンラインで実行するための基礎的手法も開発している。 今年度はさらに踏み込んで、水素細菌の代謝調節制御機構をモデル化し、オンライン最適化を試みた。このため、水素細菌を用いた単独培養、および乳酸菌と水素細菌を用いた混合培養を行い、培養液中のNH_3濃度および溶存酸素(DO)濃度が細胞増殖およびPHB合成に及ぼす影響を調べ、数式によるモデル化を行った。ここでは、非構造モデルを考え、細胞増殖、PHB合成、炭素源消費、NH_3消費の動特性を微分方程式で表現し、最大原理を利用して、最適NH_3濃度の変化パターンを求めた。その結果、初期NH_3濃度を適当に選べば、細胞増殖に伴って、NH_3濃度があるパターンで低下し、培養後期にPHBが効果的に合成されることがわかり、その有効性を実験的に検証することができた。
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[Publications] H.Shi,J.Nikawa,K.Shimizu: "Effect of modifying metabolic metwork on PHB biosynthesis in recombinant E.coli"J.Biosci.Bioeng.. 87. 666-677 (1999)
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[Publications] M.Tohyama,K.Shimizu: "Control of a mixed culture of L.delbrueckii and R.eutropha for the production of PHB..."Biochem.Eng.J.. 4. 45-53 (1999)