1999 Fiscal Year Annual Research Report
新しい多核複金属錯体を出発原料とする複合酸化物の合成と評価、応用
Project/Area Number |
10650811
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
定岡 芳彦 愛媛大学, 工学部, 教授 (50036422)
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Keywords | 多核複合金属錯体 / 超伝導性酸化物 / 多核複合金属錯体 / 希土類錯体 |
Research Abstract |
多核錯体LaMn(dhbaen)(OH)(NO3)(H2O)4を合成し、その低温熱分解によるペロブスカイト型複合酸化物LaMnO3の調製を試みた。その結果、600℃で平均粒径約20nm(表面積28m2/g)の微粒子が得られたが、一部しか結晶化していないことがTEMおよびXRDにより明らかになった。さらに700℃で分解させた場合、粒径が約50nmの多結晶のLaMnO3の単相が得られた。この錯体法により得られた微粉末は極めて均一な元素分布をもつことがAESにより明らかになった。La2O3とMn2O3を原料とする一般的な固相反応法と比較したところ、この方法で単相を作るためには1000℃以上の焼成温度が必要であり、高温で焼成するため粒子成長が起こってしまう。AESにより確認したところ、1200℃の高温で焼成した試料でも表面の元素分布は不均一であった。 さらに、様々な希土類元素を用いてLnMn(dhbaen)(OH)(NO3)(H2O)4(Ln=Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,and Lu)を合成し、これらについても熱分解挙動を調べている。この錯体の熱分解は、軽希土類では単相を容易に得ることができるが、重希土になるとLn2O3などの単独酸化物がペロブスカイト酸化物との混合相として得られている。この希土類元素の影響については現在検討中であり、平成12年度に結論を出す予定である。また、このLnMnO3は、触媒材料が高く、本研究により得られた微粒子材料はこのような応用に有効であると考えられるので、化学センサの電極材料への応用も研究を行う予定である。
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Research Products
(1 results)