2000 Fiscal Year Annual Research Report
高重合度の多核ヒドロキソアルミニウム錯体を利用する機能性セラミックスの合成
Project/Area Number |
10650824
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
北島 圀夫 信州大学, 工学部, 教授 (30021009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 朋浩 信州大学, 工学部, 助手 (30283237)
|
Keywords | 多核ヒドロキソA1錯体 / ゾルーゲル法 / γアルミナ / メソ孔 / 多孔質 / 架橋雲母 / ポリビニルアルコール / ミクロ孔 |
Research Abstract |
金属アルミニウム溶解法で得られる高濃度・高重合度・高純度の多核ヒドロキソアルミニウム錯体(PHA)溶液のゲル化能および溶存化学種の大きさや平面性を利用して新規無機材料の創製を試み,以下の知見を得た. 1.PHA溶液にテトラメチルアンモニウムクロライド(TM)を混合したのち,乾燥させてPHA-TM複合ゲルを調製し,これらを加熱処理した結果,TM含有量が30%以上の複合ゲルを400〜900℃で加熱すると,3〜4nmにモノモーダルの鋭い細孔径分布を示すγアルミナが得られ,その細孔径は加熱温度に依存することが判明した.400℃で加熱したγアルミナは最大0.25cm^3g^<-l>の細孔容積を与えた.一方,TM含有量が20%以下の複合ゲルから得られたγアルミナは,3〜8nmにバイモーダルな細孔径分布を示した.これらの結果は,TM含有量が30%以上の複合ゲルを用いることにより,γアルミナの細孔径が精密に制御できることを示す. 2.PHA溶液と膨潤性合成フッ素雲母をポリビニルアルコールの存在下で反応させると,大きい底面間隔および高い耐熱性を有するアルミナ架橋フッ素雲母が合成できることを見出した.架橋雲母の底面間隔および比表面積は,PHA/ホスト雲母比(Solution Loading)に依存して変化し,最適Solution Loadingは24mmol Al/g micaであった.最適Solution Loadingで得られた架橋雲母は500℃で2.7nmの底面間隔を有し,比表面積は600℃で極大値(403m^2g^<-1>)を示した.この架橋雲母は800℃で加熱処理後も300m^2g^<-1>以上の比表面積を維持し,耐熱性が高いことがわかった.これらの架橋雲母圧粉成形体を焼成すると,機械加工性があり,かつ良好な細孔特性を維持した焼結体が得られることが判明した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tomohiro Yamaguchi: "Porous Properties of Activated Alumina Obtained from Polyhydoroxoaluminum-Tetramethylammonium Ion Composite Gels"Journal of the Ceramic Society of Japan. 108. 960-965 (2000)
-
[Publications] Tomohiro Yamaguchi: "Synthesis of Alumina-Pillared Fluorine Micas Using Poly (vinyl alcohol) as a Template and Their Porous Characteristics"CERAMICS-SILIKATY. (印刷中).