1998 Fiscal Year Annual Research Report
噴霧熱分解プロセスの精密化による生成微粒子の微構造制御と高機能化
Project/Area Number |
10650830
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
木枝 暢夫 湘南工科大学, 工学部, 助教授 (80169812)
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Keywords | 噴霧熱分解 / 微粒子 / 微構造制御 |
Research Abstract |
最初に,研究目的に適した噴霧熱分解装置を設計,試作し,すでにある程度の結果が得られていた酸化銅微粒子の合成を行って,その性能を試験した.その結果,作製した装置は,原料溶液の噴霧効率,液滴の乾燥過程の制御性,十分高い熱分解温度,生成微粒子の回収効率,といった点を満足することが確認された. 次に,金属塩のアンモニア水溶液を原料に用い,酸化亜鉛の微粒子を合成してその微構造を制御する研究を行った.亜鉛は比較的安定なアンミン錯体を作るので,これと適当な沈殿剤を組み合わせることで,アンモニアの揮発に伴う固相生成が生じ,特異な微構造を発現することが期待された.沈殿剤として炭飲水素アンモニウムとシュウ酸アンモニウムを用いて合成を行った結果,前者では20曲程度の非常に薄い殻を持つ中空球形の酸化亜鉛微粒子が得られたが,後者では中実の粒子となった.この結果は,沈殿生成によってゲル化した液滴中で,熱分解による気体発生が生じて粒子が中空化することを示唆した.そこで,炭酸水素アンモニウムを含む系にさらに硝酸アンモニウムを加え,沈殿の生成および分解挙動や,ゲルの粘性などを変化させた.その結果,硝酸イオンの添加により中空粒子の殻の厚みを厚くすることが可能であることがわかった.さらに,酸化亜鉛の原料系に銀やパラジウムを加えて中空粒子の表面に担持する実験を行った.その結果,酸化亜鉛の中空粒子の表面にナノサイズの金属微粒子が均一に分散した複合粒子を合成することができた. 現在は,様々な添加物を加えることで原料溶液の組成をさらに幅広く変えて生成粒子の微構造制御の可能性を探るとともに,得られた粒子の触媒活性の評価を開始している.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Kieda,G.L.Messing: "Micro-Foamy Particles of Copper Okide and Nitride by Spray Pyrolysis of Copper-ammine Complex Solutions" J.Mater.Sis.Lett.17・. 299-301 (1998)
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[Publications] N.Kieda,G.L.Messing: "Preparation of Silver Particles by Spray Pyrolysis of Silver-diammine Complex Solutions" J.Mater.Res.13・6. 1660-1665 (1998)