1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650834
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坪井 貞夫 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00032954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宣之 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (40294441)
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Keywords | フロン11 / トリクロロフルオロメタン / トリブチルホスフィン / フルオロエチレン / プロパルギルアルコール誘導体 / フルオロビニルケトン / フルオロアセトフェノン / 生理活性物質 |
Research Abstract |
フロンによるオゾン層破壊,及び地球温暖化は人類の生存を脅かす地球環境問題の中でも最も大きな問題の一つである。回収及び貯留されているフロンの処分については、破壊処理をしようという意見が大勢を占めているが、その安定性故に大きなエネルギーを必要とする。 本研究では特定フロン、中でもフロン11(CCI3F)を完全に分解するのではなく、より反応性の高い有機反応中間体に変えたり、より扱い易い化合物に変換し、機能性材料や生理活性物質の合成に利用し、有効利用を図る目的で行った。 フロン11(CCI_3F)は安定で反応性に乏しいが、求核性の高いトリブチルホスフィンとは反応した。得られたホスホニウム塩(1)と各種アルデヒドとのWittig反応を行い,多くのフルオロエチレン誘導体(2)を合成した。化合物2は容易に脱HFを起こしアセチレン誘導体になるため,塩基存在下種々のアルデヒドと反応し,プロパルギルアルコール誘導体をよい収率で与えた。また,ホスホニウム塩(1)は塩化ベンゾイルと反応し,フルオロアセトフェノン(3)を与えた。3はLDA存在下塩化アセチルと反応し,2-フルオロ-1-フェニルブタン-1,3-ジオンを65%の収率で与えた。 一方,フロン11は四塩化チタンとLiAIH4の作用によりフルオロクロロカルベン(4)を与える。4の生成系にシリルエノールエーテルを存在させておくと,カルベン付加体が骨格転位したα-フルオロビニルケトンが高収率で得られた。得られた含フッ素化合物の生理活性テストは製薬会社,農薬会社に依頼して行う予定である。
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Research Products
(1 results)