1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650834
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
坪井 貞夫 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00032954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宣之 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (40294441)
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Keywords | トリクロロフルオロメタン / 廃棄フロン / 医薬品 / フッ素化剤 / 生理活性物質 / フルオロメチルフェニルスルホン / フェニルジスルフィド / クロロフルオロメチルフェニルスホン |
Research Abstract |
本研究では特定フロン、中でもフロン11を完全に分解するのではなく、より反応性の高い有機反応中間体に変えたり、より扱い易い化合物に変換し、機能性材料や生理活性物質の合成に利用し、有効利用を図ろうとするものである。 本年度はフロン11(CC13F)とフェニルジフルフィドとの反応によりジクロロフルオロメチルフェニルスルフィド(1)を収率よく合成した。化合物1を30%過酸化水素水で酸化して79%の収率でスルホキシド2に変換した後,3当量の亜鉛で還元して90%の収率でフルオロメチルフェニルスルホン(3)を得た。これは抗ウイルス剤他各種医薬品の合成原料として用いられている付加価値の高い含フッ素医薬品の合成中間体である。いずれの反応も安価な試薬を用い,環境付加の少ない合成法によるもので,現在特許取得準備を行っている。 また,スルホキシド2を1当量の亜鉛で還元すると塩素1原子だけが還元されたクロロフルオロメチルフェニルスルホンを80%の収率で得た。これは塩基存在下各種カルボニル化合物と反応し,興味ある転位反応生成物や付加生成物を与えた。 これらの成果は社会的にも評価され,11年10月18日,19日の読売新聞ならびに10月20日付け山陽新聞に大きく取り上げられ,全国版で報じられた。 11年11月,台北でのアジア化学会議でも報告した。
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