1998 Fiscal Year Annual Research Report
アルケンへの不斉オキシパラジウム化を軸とする環化反応
Project/Area Number |
10650840
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
細川 隆弘 高知工科大学, 教授 (90029520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 克宏 高知工科大学, 工学部, 助教授 (40206579)
小廣 克哉 高知工科大学, 工学部, 助教授 (60170370)
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Keywords | ヒドロキシアルケン / 環化反応 / パラジウム触媒 / π-アリルパラジウム錯体 / アリルアルコール |
Research Abstract |
近年の精密有機工業化学の課題の一つが不斉合成の新しい手法の開発であることは言うまでもない.こうした観点から、我々は分子内不斉オキシパラジウム化によるヒドロキシルアルケンの環化反応の開発研究を継続して行っている.本年度は、オキシパラジウム化を軸とするヒドロキシルアルケンの自己二量化環化反応について重点的に検討した。工業原料として入手容易なアリルアルコールを基質に選び、2価パラジウムによる自己二量化環化反応を行った。その結果、2価パラジウムのアニオン配位子がハロゲン(例えばClイオン)の場合は、この二量化環化反応が選択的に進行しジヒドロヒドロフラン体を与えるが、カチオン性パラジウム錯体(例えば(Pda)OTf)を用いると、アリルアルコールの三量化反応が起こる.また、カチオン性パラジウム錯体は、種々のアリルアルコールをπ-アリルパラジウム錯体に効率良く変換させることが判明した.しかし、アリルアルコールの自己二量化環化反応は触媒効率が低く、この不斉化は達成されなかった.そこで、この型の反応を、電子吸引性置換基を持つプロキラルオレフィンとアリルアルコールとの交差二量化環化反応に展開した。その結果、この交差二量化環化反応はキラル中心を持つテトラヒドロフランあるいはピラン誘導体の効率良い合成法をとなることを見出した。例えば、ビニルエーテル体とアリルアルコールと反応から2-アルコキシ-4-エキソメチレンテトラヒドロフランが効率良くえられた。今後は、この交差二量化環化反応の不斉化を重点的に検討する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takahiro Hosokawa: "Palladium-copper-DMF complexes involved in the oxidation of alkenes" J.Organometallic Chem.551. 387-389 (1998)
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[Publications] Takahiro Hosokawa: "Palladium-catalysed oxidation of alkenes" Pure & Appl.Chem.(in press.). (1999)
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[Publications] Takahiro Hosokawa: "Synthesis of(π-Allyl)palladium Complexes from Cationic Palladium(II)" J.Organometallic Chem.(in press.). (1999)
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[Publications] Kazuya Kobiro: "Structural and Conformational Studies of Quaterthiophenes" Chem.Mater.10. 1459-1467 (1998)
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[Publications] Kazuya Kobiro: "Synthesis and Lithium ion Selectivity of 14-Crown-4 Derivatives" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 485-494 (1998)