1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規高活性α-ホスホノシクロブタノン及びα-ホスホノアゼチジノンの開発と利用
Project/Area Number |
10650856
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡田 芳治 近畿大学, 工学部, 講師 (30253553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 文夫 近畿大学, 工学部, 教授 (90028150)
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Keywords | α-ホスホノシクロブタノン / 分子内C-H挿入反応 / 光学活性二価ロジウム / アントラセン / α-ジアゾ-β-ケトホスホナート / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
本研究では、高活性、高機能4員環環状カルボニル化合物の開発を目的として、二価ロジウム触媒存在下、ジアゾカルボニル化合物のカルベノイド[4+0]反応を経由する新規α-ホスホノシクロブタノンの一段階構築について行なった。昨年度と同様にアントラセンとアクリル酸メチルのDiels-Alder付加体より11-(ジアゾ(ジメチルホスホノ)アセチル)-11-エチル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン、11-(ジアゾ(ジメチルホスホノ)アセチル)-11-プロピル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセンを合成した。また、アントラセンとメタクリル酸メチルのDiels-Alder付加体より11-(ジアゾ(ジメチルホスホノ)アセチル)-11-メチル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセンを合成した。得られたジアゾ化合物に1,2-ジクロロエタン溶媒中、種々の二価ロジウム触媒を作用させ、80℃で加熱したところ、期待した分子内C-H結合挿入反応が進行し、混合物としてシクロブタノン及びシクロペンタノンを得た。フェニルアラニン、アラニンより誘導した光学活性二価ロジウム触媒Rh_2[N-Phth-(_L)-Ala]_4、Rh_2[N-Phth-(_L)-Phe]_4を用いたとき、不斉分子内C-H結合挿入反応が進行し、興味ある知見を得た。Rh_2[N-Phth-(_L)-Ala]_4(32%ee)よりRh_2[N-Phth-(_L)-Phe]_4(43%ee)を用いたときに収率及び光学収率ともに向上し、また側鎖アルキル基の種類に関係なく不斉収率43%eeで目的としたシクロブタノンが得られた。さらにシクロアルカノンの環化における触媒の選択性を見い出し、触媒配位子が大きい場合にはシクロブタノンを、小さい場合にはシクロペンタノンを優先的に生成していた。
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