1999 Fiscal Year Annual Research Report
9員環状ラクトン構造を持つステロイド誘導体の合成研究
Project/Area Number |
10650858
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Research Institution | TSURUOKA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
城戸 英郎 鶴岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20006315)
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Keywords | グロウコゲニンA / Furo[2,3-b]furan / Hagemannエステル / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
グロウコゲニンAはガカイモ科の植物に含まれる高度に酸化の進んだステロイド誘導体の一つであり、漢方薬"Pai-ch'en"の成分の一つである。平成10年度ではグロウコゲニンAの活性の鍵部分と思われるFuro[2,3-b]furan骨格部分の合成について検討したが、期待した結果が得られなかった。平成11年度は、さらにその合成の検討とA,B環部分の合成に必要なDiels-Alder反応のジエン部分の合成を検討した。 ジエン部分の合成については、市販のHagemannエステルを出発原料とし、ベンゼン中、p-TsOH存在下にエチレングリコールと加熱還流すると、二重結合が3,4位に異性化したケタールエステルが高収率で得られた。このエステルを常法によりLiAlH_4で還元してアルコールとし、続いて活性MnO_2で酸化してアルデヒドへ導いた。得られたアルデヒドにPh_3=CH_2によるWittig反応でビニル基に変換できる。他方、Hagemannエステルのケト基をMeOH中CeCl_3存在下にNaBH_4で還元してアルコールの異性体混合物を得た。このアルコールエステル水酸基をシリルエーテルで保護した後、C_2H_5ONaで二重結合を異性化しα、β-不飽和エステルに導いた。次にエステル部をBu_2AlHで還元して一級アルコールとした。このアルコールも酸化してアルデヒド、さらにWittig反応によりジエン誘導体が得られると思われる。現在は、種々のジエノフィルを用いて、Diels-Alder反応を検討している。
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