反応性高分子微粒子を用いた超粒子組織体の構築に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10650861
• Research Institution: YAMAGATA UNIVERSITY
• Principal Investigator: 長井 勝利 山形大学, 工学部・物質工学科, 教授 (00005498)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 谷口 竜王 山形大学, 工学部・物質工学科, 助手 (30292444)
• Keywords: ソープフリー乳化共重合 / 反応性高分子ミクロスフェア / 超粒子組織体 / ガラス基板 / 固定化 / シランカプリング剤 / 界面活性剤 / 微粒子膜

Research Abstract

反応性高分子ミクロスフェアを用いた超粒子組織体の構築に関する継続研究として、スチレンとメタクリル酸フェニルジメチルスルホニウムメチル硫酸塩とのソープフリー乳化共重合によって合成した、単分散性で、直径が約0.2μmの活性エステル基含有ポリスチレン微粒子のガラス基板表面への固定化による微粒子膜の構築について検討した。本研究で合成したポリスチレン微粒子の一級アミノ基に対する高い反応性および微粒子とガラス基板がもつ表面電荷間の相互作用を利用して固定化量および組織構造を制御することを目的として、固定化に及ぼすガラス基板のシランカプリング剤による表面処理効果と界面活性剤の添加効果について調べた。カプリング剤としては、一級アミノ基を含有するものと含有しないもの、およびフッ素含有シランカプリング剤を用い、カチオン界面活性剤またはノニオン界面活性剤不在下および存在下で微粒子の固定化を行った。界面活性剤不在下、未処理のガラス基板では、ラテックス濃度およびイオン強度を制御することによって、規則配列した離散分布構造から最密充填構造に至る種々の構造の微粒子膜を調整することができた。フッ素含有カプリング剤でガラス基板を表面処理すると固定化が大きく抑制された。界面活性剤の添加は、いずれのカプリング剤で表面処理したガラス基板に対しても固定化量が低下し、特にカチオン界面活性剤存在下において、固定化がほぼ完全に抑制された。以上本研究では、ラテックス濃度およびイオン強度の制御、ガラス基板の表面処理、界面活性剤の添加等を組み合わせることによってガラス基板表面での超粒子組織体としての微粒子膜の構築とその組織構造の制御が可能であることを明らかにした。

Research Products

• [Publications] 大橋 武、谷口竜王、長井勝利: "活性エステル基含有反応性高分子ミクロスフェアの固体基板への固定化(1)"Polymer Preprins,Japan. 48・5. 1043 (1999)
• [Publications] 大橋 武、谷口竜王、長井勝利: "活性エステル基含有反応性高分子ミクロスフェアの固体基板への固定化(2)"Polymer Preprins,Japan. 48・5. 1044 (1999)
• [Publications] Katsutoshi Nagai,Takeshi Ohashi,Ryosuke Kaneko,Tatsuo Taniguchi: "Preparation and applications of polymeric microsheres having active ester groups"Colloids and Surfaces,A(Physicochemical and Engineering Aspects). 153・1-3. 133-136 (1999)
• [Publications] 谷口竜王、山口敬三、長井勝利: "活性エステル基を有する高分子微粒子の固体基板への固定化と機能化"Polymer Preprints,Japan. 48・14. 4111-4112 (1999)
• [Publications] Tatsuo Taniguchi,Takeshi Ohashi,Kenzo Yamaguchi,Katsutoshi Nagai: "Chemical Immobilization of Polymeric Microspheres onto Inoranic Solid Surfaces"Macromolecular Symposia. (印刷中). (2000)
• [Publications] 山口敬三、谷口竜王、長井勝利: "活性エステル基含有反応性高分子ミクロスフェアの固体基板への固定化"Polymer Preprins,Japan. (発表予定). (2000)