1998 Fiscal Year Annual Research Report
ポリウレタンカチオノマーから創る新規高分子固体電解質
Project/Area Number |
10650866
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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Keywords | ポリウレタンカチオノマー / ポリ(テトラヒドロフラン) / 固体電解質 / リビング重合 / 力学的性質 / ミクロ相分離構造 / 導電率 / イオン点 |
Research Abstract |
窒素雰囲気下、0℃でテトラヒドロフラン(THF)のリビング開環カチオン重合を行い、停止反応時に2種類の低分子化合物を用いて、末端基が水酸基でかつ末端セグメントにイオン点を導入したポリ(THF)オリゴマーを2種類、合成できる方法を確立した。キャラクタリゼーションは、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR,13C-NMR)測定,赤外吸収スペクトル分析、元素分析により行った。そして、2-ジメチルアミノエタノールで重合を停止させた方のオリゴマーをプレポリマーとして用いて、窒素下ジメチルスルホキシル中、80℃でトルエン-2,4-ジイソシアナートと付加反応させてポリウレタンエラストマーを合成することができた。得られたポリウレタンエラストマーのメタノール溶液からキャスト法により厚さ約0.5mmの透明なフィルムを作製した。材料特性については、500℃までの熱重量分析、室温における引張試験、-80℃から約100℃にいたる動的粘弾性試験を行って物性評価を行った。その結果、非常に力学特性の良いエラストマーであることが判った。さらに、広角・小角X線散乱測定、示差走査型熱量測定、赤外吸収スペクトル分析を行って構造を解析したところ、イオン点とウレタン単位によりミクロ相分離構造が発達していることがわかった。また、作製したフィルム試料を用いて購入のLFインピーダンスアナライザーによる導電率測定のための予備実験を行い、高分子固体電解質の物性評価における最適方法を検討した。
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