1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650871
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 泰弘 成蹊大学, 工学部, 助教授 (30286900)
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Keywords | キチン / キトサン / 化学修飾 / 分岐型多糖 / 機能性多糖 / シリル化キチン / 反応前駆体 / 金属イオン吸着能 |
Research Abstract |
未利用バイオマス資源であるキチンの効率的な化学修飾法を開発し,これにより分岐型キチンを調製する手法を確立することを目的として研究を進めた。 まず,6位のみに反応性基をもつキトサン受容体とグルコサミンのオキサゾリン誘導体との反応により,位置選択的に側鎖を導入した。置換度は0.6程度まで上げることができた。得られた分岐型キトサン,分岐型キチンの特性解析を進めている。 次に,反応性の低いキチンの化学修飾を容易にするためにトリメチルシリル化し,可溶性の反応前駆体として評価した。ピリジン中,シリル化剤で処理したところ,β-キチンはα-キチンよりも高い反応性を示し,完全置換体を調製することができた。得られたシリル化キチンは高度な溶媒親和性を発現した。このため,誘導体のアセトン溶液をキャストし,酢酸水溶液で脱シリル化することにより,きわめて容易にキチンフィルムを調製することが可能になった。 シリル化キチンには高い化学反応性も期待できるため,典型的な反応としてトリチル化を検討した。反応をピリジン中でトリチルクロリドを用いて行ったところ,置換度1.0を達成できることを確認した。 さらに,キトサンのアミノ基を位置選択的に修飾する可能性を広げるため,糖に類似のモデルを導入することを検討した。オリゴエチレングリコールの片末端アルデヒドを用いて還元アルキル化したところ,高い置換度で側鎖を導入できた。生成物は高い溶解性と金属イオン吸着能を示した。 現在,非天然の機能性多糖材料の創製を目指し,シリル化キチンの調製と反応前駆体としての評価,糖側鎖の導入,および,分岐型多糖の特性について重点的に検討を進めている。
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[Publications] K.Kurita: "Comb-shaped chitosan derivatives having oligo (ethylene glycol) side chains" Polym.Bull.(in press).
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[Publications] K.Kurita: "Silylated chitin : A new organosoluble precursor for facile modifications and film casting" (発表予定).