1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650871
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 泰弘 成蹊大学, 工学部, 助教授 (30286900)
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Keywords | キチン / 化学修飾 / 分枝型多糖 / 機能性多糖 / シリル化 / グリコシル化 / 抗菌性 / 生分解性 |
Research Abstract |
アミノ多糖であるキチンは未利用バイオマス資源であるが,特異な生物活性を示すため,機能性素材として高い可能性を秘めている。そこで,効率的な化学修飾法を開発し,これにより非天然型の枝分かれアミノ多糖を調整する手法を確立するとともに,その特性を解明することを目的として研究を進めた。 まず,キトサンに対し,位置選択的な一連の化学修飾(6位以外への保護基の導入,グルコサミンのオキサゾリン誘導体によるグリコシル化反応,脱保護)を行い,6位に側鎖を導入する方法を確立した。得られた分枝型キチン,分枝型キトサンは可溶で,かつ,高い抗微生物活性を発現することから,水溶性の抗菌剤として有用であることを見いだした。また,生分解の挙動を調べ,置換度との関連を明らかにした.二糖であるマルトースもオルトエステル誘導体を用いることにより,導入が可能であることを示した。 分枝型アミノ多糖が興味深い性質を示すため,さらに短い経路で調整する手法を開発することとした。キチンの直接グリコシル化をまず試みたが困難であったため,可溶性の反応前駆体としてトリメチルシリル化キチンを調整し,評価した。シリル化反応において,β-キチンはα-キチンよりも高い反応性を示し,短時間のうちに完全置換体を与えた。得られたシリル化キチンは高度な溶媒親和性を示した。そのキャストフィルムは酢酸水溶液で脱シリル化され,きわめて容易にキチンフィルムを調整することを可能にした。 シリル化キチンには高い化学反応性が期待できるため,トリチル化およびグリコシル化を検討した。その結果,トリチル化では置換度1.0を達成し,シリル化キチンが機能性多糖を実現するための前駆体として有用であることを明らかにした。また,オキサゾリンを用いたグリコシル化もスムーズに進行し,分枝型アミノ多糖を簡単に調整するための新規な方法を開発することができた。
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[Publications] K.Kurita: "Silylated Chitin:A New Precursor for Facile Modifications and Film Casting"Chem.Lett.. 771-772 (1999)
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[Publications] K.Kurita: "Comb-Shaped Chitosan Derivatives Having Oligo(ethylene glycol) Side Chains"Polym.Bull.. 42. 387-393 (1999)
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[Publications] K.Kurita: "Enzymatic Degradation of β-Chitin:Susceptibility and the Influence of Deacetylation"Carbohydr.Polym.. 42. 19-21 (2000)
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[Publications] K.Kurita: "Regioselectivity in Protection of Chitosan with the Phthaloyl Group"Chitin & Chitosan Res.. (in press).
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[Publications] K,Kurita: "Advances in Chitin Science,Vol 3(うち,2章執筆)"Rita Advertising. 517 (1999)
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[Publications] K,Kurita: "Advances in Chitin Science,Vol 4(うち,2章執筆)"European Chitin Society(in press).