1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650875
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平沖 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10125346)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 耀広 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80000884)
|
Keywords | ポリペプチド / へリックスセンス / 核磁気共鳴 / アゾベンゼン基 / 光異性化 / 高次構造制御 |
Research Abstract |
ポリペプチドのへリックスセンス反転機構を明らかにするため、側鎖にアゾベンゼン基を結合し、アゾベンゼン基の光異性化に伴う主鎖・側鎖のコンフォメーション変化を核磁気共鳴(NMR)により調べ、以下の結果を得た。 (1)poly(β-n-propyl L-aspartate)(PnPLA)は溶液中では温度上昇に伴い右巻きα-へリックスから左巻へ可逆的にへリックスセンス反転し、^<13>CNMRスペクトルの化学シフトは両者で全て異なる。転移は可逆的で、その温度領域は40〜50℃である。この転移エネルギーは110kJ/molである。ジクロル酢酸―重クロロホルム系での側鎖の距離・角度情報を得た。ジクロル酢酸1〜3%では右巻α-へリックス、3〜5%では左巻α-へリックス、5%以上でコイル状態であった。スピン結合定数^3J_<αβ>から求めた内部回転角x_1は、右巻α-へリックスではg^-が90%でtが10%、左巻α-へリックスでは両者が50%であった。両へリックスで側鎖構造が異なる。 (2)アゾベンゼン基の導入量を増やすため、又光異性化の影響が主鎖に及び易いように、アゾベンゼン基のメチレン基のメチレン基が少ないphenylazobenzylalcoholを合成し、これとL-aspから、単量体を得た。これとβ-n-propyl L-aspとからアゾベンゼン基量が多い高分子を合成したが、十分な分子量の試料が得られず、現在反応条件を検討中である。 (3)L-asp-β_R-dをL-aspartaseとフマル酸より酵素合成した。反応条件を改良して、収量を60から90%、重水素化率を90から95%に上げることが出来た。これより、上記のアゾベンゼン基とn-プロピル基を結合した単量体をそれぞれ合成した。今後この試料の高分子を得て重水素NMRの固体/溶液両者における緩和時間を測定して、光異性化によるコンフォメーション変化のダイナミクスを側鎖から調べる予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.Kameda, Y.Ohkawa, K.Yoshizawa, E.Nakano, T.Hiraoki,他: "Dynamics of the Tyrosine side chain in Bombyx mori and Samia cynthia ricini silk Fibroin studied by solid state ^2 HNMR"Macromolecules. 32. 8491-8495 (1999)
-
[Publications] A.Tsutsumi, T.Ozawa, M.Okada, T.Hiraoki, F.Ishii: "Electron spin resonance study on the sol-gel transition of gellan gum aqueous solution by the addition of paramagnetic metal-ions"Rrogr. Colloid Polym. Sci.. 114. 31-35 (1999)
-
[Publications] M.Okada, T.Hiraoki,and A.Tsutsumi: "Electron spin resonance of Hydrated Mn(II) in Gellan Gum aqueous solution"Rept. Prog. Polym. Phys. Jpn.. 42. 475-478 (1999)