1998 Fiscal Year Annual Research Report
高分岐ポリエーテルマクロモノマーの合成とその重合体のイオン伝導特性
Project/Area Number |
10650878
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡辺 正義 横浜国立大学, 工学部・物質工学科, 教授 (60158657)
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Keywords | 高分子固体電解質 / 多分岐ポリマー / ポリエーテル / 270モノマー / イオン伝導 / デンドリュー |
Research Abstract |
本研究の目的は、高分岐ポリエーテルマクロモノマー、およびこの重合体の合成法を確立し、これまでに無い高いイオン導電率、電気化学的安定性、さらに薄膜成形が可能な高分子個体電解質(イオン伝導性高分子)を創製することにある。イオン伝導性高分子は、一種の個体溶媒であり、この中に電解質を溶解することにより、イオン伝導性が発現する。さらに固体膜として機能するために、固体電解質としての応用が可能になる。ポリエチレンオキシドに代表されるイオン伝導性高分子中では、高分子の極性基とイオンの相互作用によりキャリヤーイオンが生成し、高分子鎖のセグメント運動によってその移動が起こる。そのため、これまでのイオン伝導性高分子の分子設計指針としては、ポリエーテルのようなイオン解離能を有する高分子のガラス転移温度(Tg)を下げることに、主に力点がおかれ、研究が続けられてきた。本研究では、短い側鎖の速い分子運動による高速イオン移動という新しい概念を導入して分岐型イオン伝導性高分子を設計し、それに電解質塩を溶解した高分子固体電解質のイオン伝導特性を検討した。さらに分岐度の高い高分子架橋体を得、そのイオン伝導特性を検討することによって本作業仮説の普遍化を図ると同時に、工学的に充分に意味のある高分子固体電解質の実現を図った。その結果、樹枝状側鎖を有するポリエーテル架橋体およびデンドリマー型ポリエーテル架橋体をマトリックスとする高分子固体電解質において、室温にて10^<-4>Scm^<-1>以上のイオン導電性、Li/Li^+の電位から4.5V以上の電気化学的安定性、金属リチウムに対する極めて高い安定性、さらに薄膜成形性を有する高分子固体電解質を実現することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Kono,E.Hayashi M.Watanabe: "Network Polymer Electrolytes having Free Chain Ends as Internal Plastizer" J.Electrochem.Soc.145. 1521-1527 (1998)
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[Publications] A.Nishimoto,M.Watanabe Y.Ikeda,S.Kohjiya: "High Ionic Conductivity of New Polymer Electrolytes based on High Molecular Weight Polyether Comb Polymers" Electrochem.Acta. 43. 1177-1184 (1998)
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[Publications] A.Uedono,S.Tanigawa A.Nishimoto,M.Watanabe: "Open Spaces and Molecular Motions of Polyether-Based Network Polymers Probed by Positron Annihilation" J.Polym.Sci.,Part B,Polym.Phys.36. 1919-1925 (1998)
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[Publications] T.Endo,A.Nishimoto M.Watanabe,et al.: "High Ionic Conductivity and Electrode Interface Properties of Polymer Electrlytes Based on High Molecular Weight Branched Polyether" J.Power Sources. (in press). (1999)
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[Publications] M.Kono,E.Hayashi M.Watanabe: "Preparation,Mechanical Properties,and Electrochemical Characterization of Polymer Gel Electrolytes" J.Electrochem.Soc.(in press). (1999)
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[Publications] A.Nishimoto,K.Agehara M.Watanabe,et al.: "High Ionic Conductivity of Polyether-Based Polymer Electrolytes Having Hyperbranched Side Chains" Macromolecules. (in press). (1999)