1999 Fiscal Year Annual Research Report
応力歪下のアモルファス系の動力学的シミュレーション
Project/Area Number |
10650881
|
Research Institution | Fukui University |
Principal Investigator |
岩田 一良 福井大学, 工学部, 教授 (00020230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光也 福井大学, 情報処理センター, 助手 (40227179)
葛生 伸 福井大学, 工学部, 助教授 (70283158)
|
Keywords | アモルファス / 高分子 / シリカガラス / からみ合い / 表面歪 / シミュレーション / 高分子結晶 |
Research Abstract |
高分子結晶中のアモルファス層:これまでの研究で我々は,高分子結晶中のアモルファス層には絡み合いが高密度に濃縮されて、強い内部応力が加わった特殊な状態にあることを明らかにした。これまで作成してきたゴム弾性および絡み合い系の分子運動のシミュレーションプログラムを、絡み合いが高密度に濃縮された系の応力や化学ポテンシャルの計算に適用できるように改良した。このプログラムを用いて、絡み合い濃度xを変えて一軸変形の剛性率Gを計算し、xを2倍にするとはGは2.0倍に、4倍にすると6.2倍になるという結果を得た。また、絡み合いが濃縮された系内のtraped chainとfree chainの化学ポテンシャルμ_tおよびμ_fを計算し、μ_tは絡み合い濃度xとともに急激に減少するがμ_fは常にメルトと同じ値を取ることを見出した。これは、結晶化の過程でfree chainはアモルファス層〜急速に追い出されることを意味し、高分子結晶の高次構造(結晶など)の形成の原因であると考えられる。 アモルファスシリカ系:アルモファスシリカの構造を正確に反映させるために,SiとOの結合角を考慮したポテンシャルをとりいれたMDシミュレーションプログラムを作成し,バルクの問題に対して動作確認を行った。シリカの分子動力学では,主な相互作用の項はBorn-Maier-Hugginsタイプのポテンシャルをベースとしたものである。その中に,Coulomb力の項を含むが,バルクではEwaldの方法が用いられる。Ewaldの方法を表面問題に拡張するためのの定式化を行った。これらと並行して,実験的研究を行った。1つは,酸水素バーナーでシリカガラス管を成型加工したときに,表面から500μmの領域でOH量が増大することを見出した。また、表面を機械研磨したガラス表面のレーザー損傷を測定し,湿度の高いところに放置しておくと損傷しきい値が低くなることを見出した。
|