1998 Fiscal Year Annual Research Report
人工オリゴヌクレオチド水面単分子膜の構造制御ならびに特異的相互作用
Project/Area Number |
10650891
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
東 信行 同志社大学, 工学部, 教授 (10156557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 孝広 同志社大学, 工学部, 講師
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Keywords | オリゴヌクレオチド / 人工核酸モデル / 単分子膜 / 両親媒性高分子 / 気水界面 |
Research Abstract |
本研究の目的は、人工オリゴヌクレオチド単分子膜におけるセグメント間の相互作用様式を解明し、より高度に構造制御されたオリゴヌクレオチド薄膜の設計指針を得ることである。 本年度は、まずオリゴヌクレオチドのモデルセグメントを分子設計し,その鎖長や核酸塩基の種類の異なる両親媒性高分子を合成することから着手した.具体的な研究成果を以下に述べる. (1) 分子設計:疎水部として2本の長鎖アルキル基をもち,親水部にオリゴヌクレオチド・モデルセグメントを導入することを考えた. (2) 核酸塩基としてアデニンとチミンを選び,これらを含むビニルモノマーの合成に成功した. (3) 二鎖型疎水部の末端に,重合開始部位となりうるトリブロモメチル基を結合し,Mn_2(CO)_<10>存在下に(2)で合成した核酸塩基モノマーとメタクリル酸との共重合反応によりモデルセグメントを導入して,目的の両親媒性高分子を合成した.セグメントの鎖長や組成は,仕込み時の開始剤やモノマー組成により精密に調整できることを明らかにした.生成物の純度や構造は本年度購入した紫外可視分光光度計で確認した. 今後は,これら合成した核酸モデル両親媒性高分子の気水界面における単分子膜特性,とくに水相のpH,イオン強度の影響を表面圧-面積等温曲線を測定することにより評価する.次いで,相補対の混合単分子膜特性についても検討を加え,界面における特異的相互作用を明らかにする.
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