1998 Fiscal Year Annual Research Report
帯電現象を利用した織物表面に存在する水の状態の解析に関する研究
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10650892
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
小野木 禎彦 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70026201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雀部 典子 , 副手
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Keywords | 静電気 / 摩擦帯電 / 電荷減衰 / 結合水 / 自由水 / 表面解析 |
Research Abstract |
繊維中に存在する水には、高分子と強く結合した水と、自由に動き回っている水が存在しているといわれている。絶縁状態の布表面に帯電した電荷の空気中への飛散による電荷の減衰過程を測定し解析すると、高分子と結合した水を定量することができることがわかった。この研究は、これまでに行った実験をより精度の高い測定装置を購入し、追試を行って実験結果を確かめ、高分子固体中の水の状態解析の新しい測定方法としての有効性を確かめることを目的としている。そこで、帯電した固体試料の帯電電荷量を精度よく測定できるよう、トレック社製表面電位計(Model 344)を購入し、大学内の人工気候室に設置し、温度および湿度を調節した条件下で、同じ条件で調湿した種々の試料について摩擦帯電後の電荷減衰測定を行った。その結果、これまで比較的安価な表面電位計で測定していたが、同じ結果がより精度よく得られることが判った。また、測定方法もこれまでに改良してきた方法で、十分に目的が達成できることが確認できた。さらに、試料のサイズなどを大きく変えて測定し、電導による帯電電荷の漏洩が起こらない実験条件が設定できていることが確認できた。衣服の裏地に使用されている種々の布地について、電荷の空中飛散による摩擦帯電電荷の減衰測定を行った。その結果、電荷の減衰する速さは布の表面の水分率ではなく、電荷の減衰に関与する自由水の量に依存することが確認できた。測定結果について報文にまとめているところである。
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