1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい機能発現を目指した芳香族系導電性高分子の物性評価
Project/Area Number |
10650893
|
Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
大野 尚典 山口東京理科大学, 生涯学習センター, 助教授 (10194250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50011010)
|
Keywords | 導電性ポリアニリン / ドーピング / 化学重合法 / 熱重量変化 / 導電率の温度変化 / エイジング効果 / 3-ブトキシカルボニル-4-メチルピロール / 触媒化学重合法 |
Research Abstract |
(1) 導電性ポリアニリンの合成 酸化剤に過硫酸アンモニウムを用いて、HCl.HClとH_2SO_4の混酸、p-トルエンスルホン酸(p-TSA)などの酸の存在下で、アニリンの化学重合により、導電性のポリアニリンを得た。また、導電性ポリアニリンをアルカリで脱ドープ後、テトラシアノエチレン(TCNE)で後ドープを行った。これらのas-grown及び後ドープの導電性ポリアニリンの導電率は、0.1〜4.0S/cmであった。 (2) 導電性ポリアニリンの耐熱性の検討 合成したドープポリアニリンについて、熱重量変化(TG)と導電率を室温から250℃付近までの範囲で測定した。TGの測定では、HClをドープしたものは、かなり低い温度(約50℃)から大きな重量減少が見られた。TCNEをドープしたものは、150℃近辺から急速に重量が減少した。これらに対し、p-TSAをドープしたものは、250℃位まで比較的安定であった。また、TCNEをドープしたものの導電率の変化を、室温から200℃の範囲で測定したところ、150℃付近に極大値が見られた。 (3) 導電性ポリアニリン膜のエイジング効果 合成した導電性ポリアニリンについて、室温と100℃でそれぞれ保持して導電率の経時変化を調べた。ドーパントには、HCl.p-TSA、ベンゼンジスルホン酸(BDSA)、5-スルホサリチル酸(SSA)、及びリン酸を用いた。その結果、100℃で保持すると、導電率が2〜3倍に増加するものがあり、逆に減少するものもあった。これらの現象が何に由来するか、系統的な解釈はまだ出来ていない。 (4) 可溶性BMPポリマーの合成 ピロール誘導体である3-ブトキシカルボニル-4-メチルピロール(BMP)を、酸化剤のFeCl_3を化学量論量の1/10用いた触媒化学重合法によって重合した。このBMPポリマーは、テトラヒドロフラン(THF)やN-メチルピロリドン(NMP)などの溶媒に可溶であり、成型加工がし易く、機能性材料として用いるのに有利である。TCNEでドープしたBMPポリマー膜の導電率は、10^<-3>から10^<-5>S/cmであった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Naoki Toshima: "Environmentally-Friendly Synthesis of Conducting Polymers" Proceedings of Conducting Polymers for Commercial Applications,September 1998,London. 29-32 (1998)
-
[Publications] Naonori Ohno and Naoki Toshima: "Novel Catalytic Oxidative Synthesis of Soluble Conductive Polymers of Poly(3-butoxycarbonyl-4-methylpyrrole)" Chemistry Letters in press.