1999 Fiscal Year Annual Research Report
コロイドスラスタ方式のシミュレータによる宇宙デブリ衝突時の物理現象の解明
Project/Area Number |
10650896
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山極 芳樹 静岡大学, 工学部, 助教授 (30220255)
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Keywords | 宇宙工学 / 宇宙デブリ / 高速粒子 / シュミレータ / スラスタ / 電気推進 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の実験結果で明らかになった問題点を基に改良を加え、新たなシミュレータ試作機を作成した。シミュレータの構成は、昨年と同じく今回の研究費で購入した直径0.396mmのタングステン線の一次電子源ヒータ、ステンレス製の電極3枚(電子加速用2枚、帯電粒子加速用1枚)及び電極間の絶縁材であるマコールであるが、全体として大型化(直径30mm→50mm)を行い、炭素粒子イオン化のための熱電子の増加を図っている。ヒータ線については、トリウムタングステン線(今回の研究費で購入)についても試してみたが、結局、通常にタングステン線にバリウムを塗布するほうが、熱電子放出性能がよいことがわかった。また、真空槽にガラス容器を接続し、そこにこのシミュレータを(今回の研究費で購入したフランジを介して)取り付け、シミュレータの作動状況を視覚的に観察できるようにした。熱電子放出性能については、現在、実験が始まったばかりである。また、炭素粒子供給装置についてはピエゾ素子を用いた装置を設計し、現在、製作中である。来年度早々には、この二次試作機による実験データを得ることができるはずである。なお、実験とは別に、デブリによるデザーへの損傷をモデルにより解析し、その結果は後述の国際電気推進学会および宇宙輸送シンポジウムにて発表を行った。
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[Publications] Y.Yamagiwa,et.al.,: "Performance of Electrodynamic Tether Orbit Transfer System with Consideration of Lifetime by the Impact of Debris"Proc.of 26th International Electric Propulsion Conference. Vol.2. 1277-1283 (1999)
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[Publications] 山極芳樹、坂田幸孝、橋本達也: "デブリ衝突による寿命を考慮したエレクトロダイナミックテザー軌道間輸送システム性能の評価"平成11年度宇宙輸送シンポジウム論文集. (2000)