1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650911
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
秋山 秀樹 弓削商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (90159343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 耕司 広島商船高等専門学校, 練習船広島丸, 助手 (50216503)
世登 順三 広島商船高等専門学校, 練習船広島丸, 助教授 (80249846)
多田 光男 弓削商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (60141941)
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Keywords | 豊後水道 / 内湾 / 地形性渦流 / 現地調査 / 超音波ドップラー流速計 / 水温・塩分断面構造 |
Research Abstract |
豊後水道内湾域で発生する地形性渦流の動態に関して、本年度は以下のような研究結果を得た。 夏季(1998年8月)豊後水道中央の佐伯湾(九州側)および下灘湾(四国側)の各湾で、弓削・広島両商船高等専門学校の練習船による潮汐周期に同期したCTD-ADCPの往復観測を行い、地形性渦流の発生に関わる水温・塩分・密度の断面構造を捉えた。 同時に、広島商船高等専門学校所有の海底設置型ADCPと自記録式水温計を佐伯湾の湾口部に係留し、定点における時系列観測も行った。しかし残念ながら、海底設置型ADCPの係留系観測は海上保安本部に正式設置申請を行ったにもかかわらず、漁業者との連絡がうまく取れず、不慮の事故により係留系を破損し、時系列観測は途中で中止した。 また、豊後水道を横断する定期フェリー(宿毛市-佐伯市間)による航走連続水温記録を解析し、フェリー航路上における表層水温場の変動特性およびそれから見た地形性渦流の動態を定性的に把握した。この定期フェリーによる航走連続水温観測記録から、佐伯湾の湾口部で夏季を中心として表層水温の水平勾配が周期的に変動する現象が見いだされた。この変動現象は半日周潮および大潮-小潮の潮汐周期に同期していて、がなり規則的な現象であることがわかった。 次年度は2年間で得られた結果を総合し、豊後水道内湾域における地形性渦流の動態や発生・消滅過程を定性的に解明する。また、地形性渦流に関する既往の研究事例を整理し、その発生機構を要因別に分類する。さらに、地形性渦流の潮汐周期の時・空間変動特性や三次元構造について考察し、その概念図を作成する。最終的に、以上をまとめて報告書を作成する。
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