2000 Fiscal Year Annual Research Report
岩石の破壊過程に及ぼすインクルージョン形状のAE計測による評価
Project/Area Number |
10650912
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
板倉 賢一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20168298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 一彦 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (30002009)
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Keywords | AE / アコースティック・エミッション / 岩石の破壊 / 形状計測 / インクルージョン / き裂画像計測 / 単軸圧縮試験 / FEM |
Research Abstract |
これまでの実験で供試体として使用した、凝灰岩のマトリクス(基質)中にインクルージョンとして安山岩片を含む凝灰角レキ岩を、33X33X10mmの板状に整形し、単軸圧縮試験を実施した。載荷中に発生するAEを4個のセンセで検出し、2次元の震源標定を行った。また、マトリクス部とインクルージョン部分のヤング率を変えた2次元FEM解析を行い、載荷に伴う応力集中領域を調べた。本年度のこの実験により、以下のような結果を得た。 1)低い応力レベルからAEは発生するものの、破断直前に発生数が急増する傾向が、いずれの供試体にも見られた。低い応力レベルからAEが発生するのは、材料の不均一さによるものと考えられる。 2)AE震源は、後の破断面上の一部に集中していた。この傾向は、既往の研究結果と調和的であった。 3)AEの集中領域は、供試体の表裏のどちらかの面に見られる応力集中領域近傍に一致していた。ただし、インクルージョンの内外の区別はできなかった。また、インクルージョン形状の複雑さとの関係も明瞭ではなかった。これは、供試体の厚さの影響が大きいためと考えられる。 これまでに行った板状人工材料(石膏、砂、樹脂)による単軸圧縮試験、凝灰角レキ岩による単軸圧縮試験、圧裂引張試験の結果から総合すると、一様な応力が作用した場合インクルージョン形状の複雑さは応力集中と関連し、複雑な個所では局所的な応力集中が生じ、それに伴い微小き裂が集中すると考えられる。この微小き裂の形成と成長に伴い、AEが発生していると考えられる。 これらの結果は、地下岩盤や岩盤斜面の安定性評価、崩落予知等にAE計測を採用する場合、計測対象領域の岩盤構造の複雑さがAEの発生特性に影響を与えることを示唆している。
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[Publications] Ken-ichi ITAKURA: "Geometrical Complexity of Rock Inclusion and its Influence on AE Activity"Progress in Acoustic Emission. IIIX. 71-76 (2000)
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[Publications] Ken-ichi ITAKURA: "Geometrical Complexity of Rock Inclusion and AE Activity"J.of Acoustic Emission. 19(in press). (2001)