1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650913
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大塚 尚寛 岩手大学, 工学部, 教授 (40133904)
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Keywords | GIS / 地理情報システム / 骨材資源 / 数値地図 / 開発規制 / 環境情報 / 可採資源量 / データベース |
Research Abstract |
前年度に構築したGIS(地理情報システム)を利用した骨材資源量検索システムについて、各サブシステムの実用上の検討を行った。可採資源量検索システムは、地形、地質、開発規制区域、環境、経済の5つの情報サブシステムで構成した。各サブシステムについて検討した結果を要約すると、以下の通りである。 1.地形情報サブシステムでは、国土地理院発行の「数値地図50mメッシュ(標高)」、「数値地図25000(行政界、海岸線)」、「数値地図25000(地図画像)」の各データを用いて、標高ラスター地形モデルおよび東北6県の行政界レイヤーを作成するとともに、地図画像データを標高メッシュにオーバーレイさせて採石場のポイントデータを入力することにより、採石場の所在位置および周辺地形に関するデータベースを構築した。 2.地質情報サブシステムでは、工業技術院地質調査所発行の1/200,000表層地質図および岩手県土木部作成の1/100,000表層地質図をイメージスキャナで読み取り、デジタル化する一連の作業を行った。スキャナで入力したイメージデータと行政界や採石場位置等のベクトルデータを重ね合わせるために、イメージデータに地理座標を付加した。イメージデータ上の表層地質の境界線をマウスでトレースしいき、表層地質ポリゴンを作成した。次に、地質系統、岩石名称等の属性データを入力して、表層地質ベクトルデータを作成した。 3.開発規制区域情報サブシステムでは、環境庁自然保護局発行の自然環境情報GISのCD-R0Mデータを用いて、岩手県を事例として、居住地域、国立・国定公園、自然環境保護地域、国設鳥獣保護地域の分布をGIS上でデータベース化した。 4.環境情報サブシステムでは、環境庁が実施した第3回及び第4回植生調査によるデータを利用して、植生自然度と植生分布に関するデータベースを構築した。また、GIS機能を用いて採石場の可視領域を解析する方法を確立した。 5.経済情報サブシステムでは、砕石資源の経済的開発可能地域を、次の算定式に基づき求めた。 R=K×P^<1/2> ここで、R:開発可能半径(km)、P:人口(万人)、K:定数(3〜7) 市町村庁の位置座標をデータ入力し、GISのバッファ機能利用して、人口に基づく経済的開発可能域の導出を行った。 以上のように構築したサブシステムを利用して、可採資源量を検索する方法を検討した。可採資源量算出のフローとしては、砕石資源岩石分布域、開発規制区域、経済的開発可能地域の各情報データベースから1kmのラスターデータを作成し、各メッシュに該当する場合は「1」、該当しない場合は「0」を付与することによりメッシュを2値化した。再分類した3つのラスターデータ間でGISのマップ演算機能を利用して、採掘可能なメッシュを求めた。このメッシュ数をもとに、次式により可採資源量を算出するシステムを確立した。 可採資源量(ton)=開発可能面積(1メッシュ=1km^2)×開発深度(m)×岩石単位体積重量(ton/m^3)
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[Publications] 大塚尚寛: "GISを利用した骨材資源データベースの構築に関する検討"資源・素材学会平成11年度春季大会研究・業績発表講演要旨集. 3604 (1999)
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[Publications] 大塚尚寛: "GISを利用した砕石資源データベースの構築"資源・素材学会東北支部平成11年度秋季大会講演要旨集. P-59 (1999)
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[Publications] 大塚尚寛: "GISを利用した採掘跡地の可視領域予測"資源・素材学会平成12年度春季大会研究・業績発表講演要旨集. 3310 (2000)
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[Publications] 大塚尚寛: "GISを利用した東北地方の砕石資源の情報化"資源・素材学会平成12年度春季大会研究・業績発表講演要旨集. 3311 (2000)
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[Publications] 大塚尚寛: "情報技術と露天採掘 -GPS,デジタルカメラ,データベースの応用-"社団法人日本砕石協会 情報技術と露天採掘研究会,古今書院. 133 (1999)