1999 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異を用いたコメ貯蔵タンパク質合成関連遺伝子の単離と解析
Project/Area Number |
10660009
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSTIY |
Principal Investigator |
熊丸 敏博 九州大学, 農学部, 助教授 (00284555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 雅広 山口県立大学, 生活科学部, 教授 (10160772)
佐藤 光 九州大学, 農学部, 教授 (70128031)
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Keywords | イネ / グルテリン / タンパクジスルフィドイソメラーセ / 突然変異 / 構造遺伝子変異 |
Research Abstract |
・グルテリンの輸送・蓄積に関与する遺伝子の単離 グルテリン前駆体蓄積突然変異体(57H変異体)の一つ、esp2変異体はタンパクジスルフィドイソメラーゼ(PDI)を欠損する。そこで、Esp2遺伝子がPDIをコードしているかどうかを明らかにするために、インド型品種Kasalathとesp2変異体の交雑F2個体について、PDIのcDNAクローンの部分長配列をプローブ(PDIプローブ)とするRFLP解析を行った。その結果、PDIについてKasalathホモ型及びesp2ホモ型のRFLPを示すF2個体中に、esp2遺伝子についてヘテロ型を示す個体が認められた。これはEsp2遺伝子とPDIをコードする遺伝子は異なることを示している。さらに、起源を異にする他のesp2変異体のノーザン解析の結果、PDImRNAの発現は顕著に低下していた。これはEsp2遺伝子はPDI遺伝子の転写活性因子をコードしている可能性を示唆している。 ・グルテリン構造遺伝子に関する突然変異 タイプの異なるグルテリンのα-2サブユニット欠失変異体(α-2変異体)はすべて同じ遺伝子座の突然変異であり、グルテリンの構造遺伝子に関する突然変異であることを明らかにした。この遺伝子をGlu4と命名した。複数の既にクローン化されているグルテリン遺伝子クローンをプローブとするノーザン解析とザザン解析の結果、GluA1cDNAをプローブとしたときに転写産物の発現量の低下と、遺伝子の構造変化が認められた、これは、Glu4遺伝子はcDNAクローンGluA1に対応することを示している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 曲楽慶,熊丸敏博 他2名: "イネのグルテリンα-1H変異体の遺伝解析"育種学研究. 1・1. 115-115 (1999)
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[Publications] 竹本陽子,小川雅広,熊丸敏博 他2名: "イネesp2変異体はProtein Disulfide Isomeraseを欠損する"育種学研究. 1・1. 237-237 (1999)
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[Publications] 魏暁麗,曲楽慶,竹本陽子 他3名: "イネの57H変異遺伝子glup4の遺伝分析"育種学研究. 1・2. 131-131 (1999)
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[Publications] Siddiqui Saddar Uddin, T.Kumamaru 他1名: "Distribution and diversity of Pakistan rice germplasm"育種学研究. 1・2. 200-200 (1999)