2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660029
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
長谷川 耕二郎 高知大学, 農学部, 教授 (80026616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 宣 高知大学, 農学部, 助教授 (70135549)
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Keywords | 果実 / 生理落果 / 離脱過程 / エチレン / 温度 |
Research Abstract |
カキ'平核無'成木を用い、果実の離脱部位であるガク/果梗の組織および果盤/果梗の組織の形態形成を調査した。ガク/果梗の組織の細胞は満開5〜6週間前から識別され、満開4週間前には小細胞からなる帯状の組織となり、その後、離層と平行方向に細胞が急速に伸長し、7〜8層の明確な離層組織が形成され、開花1週間後にはほぼ完成していた。果盤/果梗の組織の細胞は果梗組織の細胞より小さいため、満開2週間前から識別が容易となるが、細胞は不斉一でガク/果梗のような明確な離層は形成されなかった。 満開3、6、9、12週間後に果実を採取し、35℃、20℃、5℃および20℃→5℃の温度処理を行い、自然離脱とガクを引っ張る強制離脱を調査した。満開3、6週間後採取果実の離脱は高い温度ほど早く、自然離脱と強制離脱で離脱時間の差が小さかったが、満開9週間後採取果実の離脱時間は長くなり、満開12週間後採取果実では35℃ですべては離脱せず、20℃処理との違いは明確でなかった。 満開3、6週間後採取果実では、35℃と20℃における離脱はガク/果梗と果盤/果梗が同時であったが、20℃→5℃でガク/果梗の離脱が果盤/果梗の離脱より早く生じた。しかし、9、12週間後採取果実では20℃→5℃の離脱に部位による違いはなかった。満開6週間後採取果実では、35℃、20℃において離脱前に急激に多量のエチレンが発生したが、20℃→5℃においては少量ではあるが離脱前にピークを示した。離脱果実を観察すると、ガクと果梗の接合部は滑らかで硬かったが、果実と果梗の接合部は不整形で軟化していた。 以上のことから、果実発育に伴って離脱過程の進行が遅くなるのはガク/果梗の組織と考えられた。20℃→5℃処理において、5℃条件下でガク/果梗組織の離脱過程は果盤/果梗組織より先行しており、離脱過程の進行はガク/果梗組織で先に生じると推察された。果盤/果梗組織の離脱の進行はエチレン発生量と類似しており、果盤/果梗組織はエチレンにより軟化しやすく、そのために離脱が生じる可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Kitajima,K.Sasagawa,and K Hasegawa: "Development of abscission zone and morphological changes of abscission cell in abscission process of persimmon fruit"Abstract of 2^<nd> International Symposium on Persimmon. (印刷中). (2000)