1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660036
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Research Institution | TOKYO UNIVERSITY OF AGRICULTURE |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教授 (40147484)
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Keywords | 日本庭園 / 国際的評価 / 欧米の日本庭園 / 枯山水 / ジャパニーズガーデン / Japanese Garden |
Research Abstract |
国際社会における日本庭園の評価について、特に昭和後期(1945年以降)における日本庭園の欧米における一種のブームを確認し、その際に最も顕著に評価された日本庭園の芸術的形式を見出した。それが、枯山水形式である。例えば、このタイプの庭園は今世紀初頭欧米に作庭され、既に存在した築山林泉形式の日本庭園に、1950年代以降数多く付け加えられた。枯山水庭園の作庭は、白砂と石組という造形がその骨格となることから、造園家のみならず、造形感覚の優れた建築家や彫刻家からも庭園創作に加わり、欧米人も石と砂を用い造形的なセンスをもって作庭することができること、また作庭後の維持管理も容易なことから枯山水の流行があった。この枯山水の庭園形式は、特に世界の建築様式としてのモダン建築に容易にマッチさせることができ、そのことが枯山水の評価を高め、ひいては昭和後期以降の日本庭園の主要なイメージを形成していた。こうした枯山水が国際的に評価されていく過程については『ランドスケープ・デザインにおける「枯山水」の考察』としてまとめ、(ランドスケープ研究、Vol.61,No.5,1998.pp.413-416)に論文として発表。また、1998年9月に国際造園家会議(IFLA)が開催した国際シンポジウム"Art and Landscape"(セントラル・リージョン、アテネ大会)にて発表した。また、アメリカにおいて日本庭園の作庭ブームの状況と、その代表的日本庭園である、アメリカのポートランド市内にあるワシントンパークの日本庭園を事例として調査し作庭から維持管理、運営管理を含めた実態とその評価を共著にて日本建築学会計画系論文集にて公表、その英訳文を作成し、配布し、2000年現在も特にアメリカにおける日本庭園関係者に、総合的な日本庭園の評価の調査を継続中である。
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[Publications] 鈴木 誠: "ランドスケープ・デザインにおける「枯山水」の考察"ランドスケープ研究. 61巻5号. 413-416 (1998)
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[Publications] 土沼 隆雄,鈴木 誠: "ポートランド市ワシントン・パーク日本庭園の形成過程の特徴に関する考察"日本建築学会計画系論文集. 第521号. 195-202 (1999)
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[Publications] SUZUKI,Makoto: ""Karesansui" as a vocablary of modern landscape design"Art and Landscape. Vol.2(on printing). (2000)
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[Publications] Takao Donuma and Makoto Suzuki: "A Study on the Characteristics of Establishing Japanese Gardens in Vashington Park,Portland,Oregon"Takao Donuma and Makoto Suzuki. 10 (1999)