1998 Fiscal Year Annual Research Report
ダニ類の卵巣発育制御ホルモンの受容体発現に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
10660043
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
TAYLOR DeMar 筑波大学, 農林学系, 外国人教師 (50261772)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
|
Keywords | エクジソン受容体 / 卵形成 / マダニ / Ornithodoros moubata / エクジソン / RxR / 内分泌的 / DNA |
Research Abstract |
1. マダニOrnithodoros moubataを用いて脱皮と卵形成の内分泌的な調節機構を明らかにするために,吸血や脱皮に伴うエクダイソンの定量とエクダイソン受容体について検討した。 2. 5令幼虫吸血前後及び成虫の吸血と卵形成に伴うエクジソンの血中濃度を測るために,一定量の体液を採取し,RIA(radio-immunoassay)により定量した。脱皮時期に高いエクジソン濃度を認めたが,更に特徴的なこととして,成虫が吸血したあとの数日後と約2週間後の産卵時期にも高い濃度となることが判った。卵形成・産卵とエクジソンとの関係が示唆されるので,今後はこの点を調べたい。 3. すでに報告されているエクジソン受容体EcR(ecdysone receptor)のDNA結合領域の保存部分からprimersを作製し,マダニから抽出したDNAをtemplateとしてPCRを行い,期待する複数のDNA断片を得た。これらの塩基配列とアミノ酸配列を解析し,他の昆虫のEcRとの相同性を比較し,ダニのEcR,RxRのDNA結合ドメインの一部であることが判った。今後はこれらの全長を含む遺伝子を分離するとともに,Northem Blot解析によりこれらの遺伝子の発現の動向を調べ脱皮や卵形成との関連を調べていきたい。
|