1999 Fiscal Year Annual Research Report
伝統的生物的防除の基礎理論の確立-ヤノネカイガラムシの生物的防除を事例として-
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10660050
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 正見 九州大学, 農学部, 助手 (20175425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 みどり 九州大学, 農学部, 助手 (20294910)
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Keywords | 伝統的生物的防除 / ヤノネカイガラムシ / ヤノネキイロコバチ / ヤノネツヤコバチ / 寄主ー寄生者系 / 個体群動態 / 導入天敵 / 寄主識別 |
Research Abstract |
・1983年にヤノネツヤコバチを単独放飼した柑橘園における、1983年から1997年までの、ヤノネカイガラムシ個体群データを分析するために、年多化性の昆虫の生命表分析法を開発した。分析の結果、ヤノネカイガラムシ個体群は年間変動の主要因は第1世代に働く死亡要因でであることが明らかになった。また、この死亡率と8月のヤノネツヤコバチ寄生率の間に相関関係が検出された。これらの結果から、ヤノネカイガラムシの低密度安定化にヤノネツヤコバチの寄生が寄与していると示唆された。 ・ヤノネキイロコバチとヤノネツヤコバチが共存している柑橘園におけるヤノネカイガラムシ個体群動態調査を継続し、1997年から1999年分の3年間のデータの予備的解析を行い、ヤノネキイロコバチの寄生率が上昇するのは8月以降であり、また、ミカン樹の外部での寄生率上昇の方が内部より著しいことを検出した。 ・アルミフレーム温室内で温州ミカンの鉢植えを用い、冬期にも寄生ヤノネカイガラムシを安定供給できるシステムを確立した。一方、黒皮カボチャで簡便に飼育できるヤノネキイロコバチの代用寄主ヤシシロマルカイガラムシ(屋久島産)の累代飼育を開始した。 ・農林水産省果樹試験場で1981年から蓄積されたヤノネカイガラムシと2種の寄生バチのデータを分析し、寄主ー寄生者系に及ぼす気象要因の影響を明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Takagi: "Perspective of practical biological control and population theories"Res. Popul. Ecol.. Vol.41 No.1. 121-126 (1999)
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[Publications] M.Tuda and M.B.Bonsall: "Evolutionary and population dynamics of host-parasitoid interactions"Res. Popul. Ecol.. Vol.41 No.1. 81-91 (1999)