1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキシ-アルミニウム層状2:1型粘土複合体の表面荷電特性と吸着特性
Project/Area Number |
10660058
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
溝田 智俊 岩手大学, 農学部, 助教授 (10089930)
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Keywords | スメクタイト / バーミキュライト / カリ / アンモニウム / リン酸固定 |
Research Abstract |
各種のハイドロキシアルミニウム(HyA)およびハイドロキシアルミニウムケイ酸塩(HAS)が層間に存在する2:1型粘土鉱物が土壌中には認められている。2:1型粘土鉱物の層間にHyAやHASを人工的に調整したスメクタイト(Mt)やバーミュキュライト(Vt)を用いて、その化学的、鉱物的な性質の一部については既に調べられている。本研究では、層間に存在するHyAやHASのOH/AlやSi/Alのモル比が異なるスメクタイ(HIM)とバーミュキュライト(HIV)を合成し、その合成鉱物の正リン酸イオンの吸着、カリ、アンモニウムイオンの固定と交換性を調べた。得られた結果の概要は以下の通りである。 1. HIMおよびHIVのリン吸着現象はラングミュアー式で解析が可能であった。HIMやHIVのリン吸着の減少は層間のHyAやHASのOH/AlやSi/Alモル比の増加と関連していた。 2. HIMについては、HyA-リン酸複合体やHAS-リン酸複合体は層間に安定的に存在せず、またHAS-VtについてもHAS-Pは安定的に存在しにくい。一方、HyA-VtではHyA-リン酸複合体が層間に残存した。このことは2:1:1型鉱物が多い土壌でのリン酸イオン付加による風化過程の促進を示すものである。 3. NH4とカリKイオンの吸着特性についてHyA/HAS-VtとHyA/HAS-MtでNH4とKの添加量を変化させて調べた。HyA/HAS-Vt、HyA/HAS-Mt共にK、NH4イオンの固定能が交換能に比べて大きく減少した。これはMt、Vtの層間にあるHyAやHASがK、NH4イオンの固定を妨害しているためであると解釈した。
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