1998 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛バクテリオクロロフィルを持つ細菌の検索と系統分類学的評価
Project/Area Number |
10660069
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
若尾 紀夫 岩手大学, 農学部, 教授 (30003784)
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Keywords | 光合成色素 / 亜鉛バクテリオクロロフィル / 好酸性細菌 / Acidiphilium |
Research Abstract |
光合成系には、中心金属として"Mg"が結合した光合成色素であるクロロフィル(Ch1)及びバクテリオクロロフィル(BChl)が不可欠と考えられていた。しかし、ある種の好酸性好気性従属栄養細菌(Acidiphilium属)には、"Zn"を有するバクテリオクロロフィル(Zn-BChl)が存在し正常に機能することが発見された。本研究では、このような新規光合成色素を持つ細菌を自然界に広く検索し、分類学的検討を行うことを目的とする。 1. 自然環境からのZn-BChlの直接検出 自然界の酸性環境由来の試料(水、土壌、バイオマットなど)を対象に、有機溶媒で直接光合成色素の抽出と分析を行ったが、明確な結果は得られなかった。 2. 自然環境におけるZn-BChlの遺伝子解析による検出 細菌の光合成遺伝子群の一つであるpuf遺伝子を既知プローブでPCR増幅することにより検出した。その結果、光合成遺伝子の自然界における存在が示唆された。 3. 好酸性好気性細菌の単離とZn-BChlの解析 酸性鉱山水や酸性温泉、バイオマットなど種々の酸性自然環境から、好酸性好気性細菌を多数単離し、細胞内色素を抽出・分析した。その結果、分離菌群にはAcidiphilium rubrum型のZn-BChl含有菌と分類学的に未知のMg-BChl含有菌が含まれていた。 4. 今後も好酸性好気性細菌の単離と光合成色素の分析、さらに色素含有菌の系統解析を行う。
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