1999 Fiscal Year Annual Research Report
P450ヘム結合様ドメインを持つ担子菌由来の新規低分子量タンパク質の構造と機能
Project/Area Number |
10660076
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宍戸 和夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (40087549)
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Keywords | 担子菌 / シトクロムP450 / ヘム結合部位 / リピート配列 / 低分子量ヘムタンパク質 |
Research Abstract |
担子菌シイタケ(Lentinus edodes)DDLE1株由来のshp1遺伝子は上流域にリピート配列LESR1を含み、P450ファミリーのヘム結合部位様配列を含む低分子量(74アミノ酸)タンパク質SHP1をコードしている。本研究では、SHP1の構造と機能を明らかにすることを目的として実験を行い、以下の知見を得た。シイタケFMC2株由来のshp1はDDLE1株由来のshp1の場合に見られる終止コード付近のダイレクトリピートを持たず、その結果コードされるSHP1はDDLE1株のものより大きく115アミノ酸から成ると考えられた。FMC2株からP450をコードする遺伝子を3つ(Le.cyp1,Le.cyp2,Le.cyp3と命名)クローニングしたが、上記両SHP1のアミノ酸配列は3つのP450のへム結合部位を含むC末端側アミノ酸配列に相同性があることが分かった。また、shp1はシイタケ菌糸細胞内でリピート配列を含む形で安定に転写発現されていることが分かった。大腸菌でグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として発現させたSHP1はヘモグロビン由来のプロトヘムと複合体を形成した。子嚢菌由来のP450を出芽酵母内で発現させ、ミクロソーム膜系に存在するNADPH-P450還元酵素の関与の下に、O-メチルステリグマトシスチンからアフラトキシンB1を合成させる活性が当該P450にあることを証明した実験系を用いて、担子菌由来の各種脂溶性物質の中から、SHP1(及びLe.CYP1)の一原子酸素添加反応の基質及び反応生成物を同定することを試みた。しかしながら、現在までのところ、それらの同定にまで至っていない。なお、shp1とLe.cyp1,2,3及びそれらのコードするタンパク質に関する成果については投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 秋山涼子,佐藤義弘,梶原将,宍戸和夫: "担子菌シイタケからの2つのcytochromeP450遺伝子の単離と解析"第22回日本分子生物学会年会 講演要旨集. -538 (1999)
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[Publications] 秋山涼子: "担子菌シイタケのシトクロムP450及び関連ヘム蛋白質遺伝子のクローニングと解析"東京工業大学大学院バイオサイエンス専攻修士論文要旨集. 41-42 (2000)