1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660079
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森上 敦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10211608)
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Keywords | 遺伝子発現 / シロイヌナズナ / 糖 |
Research Abstract |
本年度は、糖レベルによる遺伝子の発現誘導に異常を生じた変異株をシロイヌナズナから単離するための準備を行った。糖レベルによる遺伝子の発現誘導の指標としては、シロイヌナズナのβアミラーゼを用いた。 βアミラーゼ遺伝子の翻訳開始点から転写開始点上流-340bPの領域とルシフエラーゼ遺伝子をつなげた融合遺伝子(β-Amy:LUC)と同じプロモーター領域にGFP遺伝子をつなげた融合遺伝子(β-Amy:GFP)を作製を行い、それぞれin planta法を用いて20系統以上の形質転換体を作製した。形質転換植物のレポーター遺伝子の発現量の検定を行ったところ、GFP遺伝子をレポーター遺伝子として用いた場合は、植物体の蛍光観察で発現量を調べるには厳しい量しか発現していなかったので、GFPレポーターを用いた植物は解析から除外することにした。それに対し、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子にしたものについては、ルシフェラーゼが十分解析できる量発現誘導されていた。各形質転換体に導入された遺伝子の数を検討したところ、一系統の種子については染色体の一カ所のみに遺伝子が導入されていたので、今後この種子を基本株とすることにした。 将来のスクリーニングに備え、どの器官に着目するとレポーター遺伝子産物の増減を検出しやすいか、また処理時間などの検討も行った。無糖もしくは3%ショ糖を含む培地で5日間暗条件下で生育した植物は、子葉でのレポーター遺伝子産物の発現量が著しく異なっている事が明らかになった。また以前より行われている切り取り葉を用いた糖処理の最適条件も再検討を行った。 来年度は種子を変異源処理を行い、本格的な変異株の選抜に入る予定である。
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