1998 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌のDNA転移に関与する遺伝子発現制御機構の時間的・空間的解析
Project/Area Number |
10660093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土居 克実 九州大学, 農学部, 講師 (40253520)
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Keywords | Streptomyces / spolllE様遺伝子 / プラスミド / 遺伝子ライブラリー / spi遺伝子 / His・tag / GFP融合タンパク質 / 膜局在性 |
Research Abstract |
放線菌のDNA転移に関与する遺伝子発現制御機構の時間的・空間的解析を行うため、Streptomycescyaneus subsp.azureusのプラスミドpSA1.1(9.1kb)上の、宿主胞子形成阻害とプラスミド転移に機能する遺伝子spi(1326bp)について研究を進めた。まず、塩基配列解析より、Spiの69Bbp上流にプロモーター配列のコンセンサス配列(CNGNNA)を認めた。次に、放線菌で発現できるようにspiプロモーターを含み、C末端側にに6個のHisをコードするように設計したプライマーを設計し、Nested PCRによりspi-his・tag遺伝子を増幅し、pUC118にクローニングした。組換え大腸菌中で発現を行い、菌体全タンパク質を遠心分離によって可溶性画分と不溶性画分とに分画し、Ni^<2+>-chargedレジンを用いて、それぞれ回収し、SDS-PAGEに供した。その結果、可溶性画分にはバンドが認められず、一方、不溶性画分に約50kDaのバンドが認められた。従って、目的のSpi-His・tagタンパク質は細胞膜に局在すると推定した。現在、本組換え体を用い、spi-his・tag遺伝子の発現時期を検討している。一方、spiとGFPの融合タンパク質を作製し、Spiの細胞内局在性を検討するため、Spi遺伝子の下流にEGFPをコードするようにpEFG-Nl中にSpiをクローニングし、現在、本プラスミドを放線菌に形質転換を行っている。 また、S.azureusをはじめとする放線菌染色体上にもspolllE様遺伝子が存在し、SpolllE様遺伝子のクローニングを試みた。まず、プラスミド非保持株PK100C株の染色体をSall消化しpZero2をXhol切断したものとライゲーションし、ミニライブラリーを作製した。Spiをプローブとしたコロニーハイプリダイゼーションによってポジティブクローンを検出し、3.3kbの挿入断片・を保持する組換えプラスミドpSP010を得た。現在、本プラスミドをサブクローンし、シークエンスを行っている。
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[Publications] K.Doi,et al.: "Whole Seauence of spolllE-Like,Sporulation-inhibitory,and Transter Gene(spi)in a Conjugative Plasmid,pSA1.1,of Streptomyces azureus and Detection of spi-Like Gene in the Actinomycete Chromosome" Biosci.Biotech.Biochem.62(8). 1597-1600 (1998)
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[Publications] 土居克実、緒方靖哉他: "「放線菌の接合性プラスミド」" 生物工学会誌. 76(2). 66-71 (1998)
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[Publications] 土居克実、緒方靖哉他: "サイレージ乳酸菌の機能開発-サイレージ発酵に適合した有用特性の探索-" 日本生物工学会誌. 76(11). 455-457 (1998)
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[Publications] F.Inagaki,K.Doi et al.: "Bio-deposition of Amorphous Silica by an Extremely Thermophilic Bacterium,Thermus spp." Biosci.Biotech.Biochem.62(6). 1271-1272 (1998)
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[Publications] A.K.Okba,K.Doi et al.: "Effect of Bacitracin and Excess Mg^<2+> on Submerged Mycelial Growth of Streptomyces." J.Fement.Bioeng.86(1). 28-33 (1998)