1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞形態の変化を誘導するシャペロンの作用メカニズム解明と細胞分裂阻害に関する研究
Project/Area Number |
10660097
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
渡部 邦彦 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90184001)
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Keywords | シャペロン / DnaK / 細胞分裂 / フィラメント化 |
Research Abstract |
1. 好熱菌B.thermoglucosidasius KP1006のDnaKタンパク質の大量発現・精製 DnaKタンパク質の大量発現・純化は大腸菌を宿主にして行った。純化したDnaKタンパク質は、単量体だけでなく、2〜4量体を形成したものが相当量あり、大腸菌のDnaKが2量体であることと異なった結果が得られた。DnaKタンパク質の機能の一つであるATPase活性は、精製の進行とともに弱くなることから、他のGrpE,DnaJタンパク質との相互作用による活性化が考えられる。また大腸菌のDnaKで言われているADPによる活性化は、本菌由来のDnaKでは観察できなかった。 2. DnaKタンパク質と相互作用を有し、細胞形態異常を誘導する遺伝子の検討 酵母のtwo hybrid systemにより、大腸菌の細胞分裂に関与するFtsZ、FtsAタンパク質とDnaKタンパク質の相互作用を検討した。DnaK遺伝子の様々な領域をtwo hybrid systemの一方のプラスミドにつなぎ、もう一方のプラスミドに全長のFtsZまたはFtsA遺伝子をつなげ、酵母を形質転換した。DnaK/FtsAではいずれも相互作用は検出できなかったが、DnaK/FtsZでは、全長のDnaKに対してのみ相互作用の存在を確認することが出来た。このことは、特にDnaKタンパク質のN-末端領域とFtsZが相互作用することが示唆された。それから、大腸菌の染色体DNAで作成したライブラリーに対して、DnaKタンパク質と相互作用を持つクローンを選択したところ、2つだけ陽性を示すクローンを得ることが出来た。現在これらのクローンについて、その遺伝子の同定を行っているところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Watanabe et al.: "Features of dnaK operon genes of an obligately thermophile Bacillus thermoglucosidasius KP1006" Antonie van Leeuwenhoek. (印刷中). (1999)
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[Publications] 渡部邦彦: "遺伝子微生物学" 木村 光(スプリンガーフェアラーク東京社)(印刷中), (1999)