2000 Fiscal Year Annual Research Report
ユーカリに含まれるフロログルシノール類を用いた海洋付着生物の化学的制御研究
Project/Area Number |
10660108
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
衛藤 英男 静岡大学, 農学部, 教授 (10076747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 幸正 名城大学, 薬学部, 助教授 (20076756)
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Keywords | ユーカリ / フロログルシノール / 海洋付着生物 / シデロキシロナール / 付着忌避 / 構造活性相関 / 防汚物質 |
Research Abstract |
本年度は、研究課題「ユーカリに含まれるフロログルシノール類を用いた海洋付着生物の化学的制御研究」の最終年である。当初の目的であるグランディナールの合成に成功した。2、4、6-トリメトキシベンゼンからジェンセノン誘導体に9ステップで誘導した。すなわち、スチレン化合物6を接触還元し、ブロム化後、酸メチルエステルに置換後、還元しアルコール体とした。最後に、PDCで酸化してジェンセノン誘導体を13%の収率で得た。次に、グランディノールをすでに報告した方法で2、4、6-トリヒドロキシトルエンから13%の収率で誘導した。これらを、DDQを用いてDiels-Alder反応を行い、目的とする化合物とその異性体をそれぞれ14%、18%得た。最後に、目的とする化合物をBBr_3S(Me)_2を用いてメチル基をはずし、目的とするグランディナールに誘導した。この結果を論文に投稿し受理された。この過程で多くのフロログルシノール類を手に入れる事が可能となった。1年目の成果、分子軌道法を用いたフロログルシノール類の構造と忌避活性の関係から、モデル化合物を考えることができた。以上の成果を踏まえ、実用化にむけた海洋浸漬試験までには至らなかったが、この3年間の成果は、現在危惧されている海洋汚染の防汚剤に替わる環境に優しい化合物の提供の途を拓いたものと確信している、
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Research Products
(1 results)