1998 Fiscal Year Annual Research Report
GABAレセプターアンタゴニスト結合部位の3次元構造解析
Project/Area Number |
10660112
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
尾添 嘉久 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80112118)
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Keywords | γ-アミノ酪酸 / GABA / レセプター / アンタゴニスト / 構造活性相関 / 神経伝達物質 / 3次元構造 / 結合部位 |
Research Abstract |
γ-アミノ酪酸(GABA)レセプターのアンタゴニストを種々設計・合成し,その活性を測定・解析することによってリガンドと相補的な結合部位の3次元構造を解明することを目的として実験をおこなった. 1. レセプター探索プローブの合成 (1) 二環式リン酸エステル 30種の3,4-dialky1-2,6,7-trioxa-1-phosphabicyclo[2.2.2]octane l-sulfideをマロン酸エステルを出発原料として合成した.さらに,GABAレセプターにおける個々の化合物の活性を放射性標識アンタゴニスト[^3H]EBOB([^3H]1-(4-etynylphenyl)-4-n-propyl-2,6,7-trioxabicyclo[2.2.2]octane)をリガンドとして用いた結合阻害実験によって調べた.その結果,4位にだけアルキル基をもつリン酸エステルはラットレセプターに対して高親和性を示すが,3位に適当なアルキル基を導入するとハエ(Musca domestica)のレセプターに対して選択的に高い親和性を示した. (2) 非環式エステルおよびエーテル 上記二環式リン酸エステルの置換基効果を考慮に入れて,EBOBの二環式構造を開環したような回転自由度の大きなアンタゴニストを分子プローブとして設計・合成した.合成した化合物は,安息香酸アルキルエステル・脂肪酸フェニルエステル・アルキルフェニルエーテル・アルキルベンジルエーテルである.次年度以降に活性の解析を行う. 2. アンタゴニスト活性の測定と解析 トウダイグサ科植物(Picrodendron baccatum)から単離したテルペノイド・ピクロデンドリン類のラットおよびMusca GABAレセプターに対する親和性を[^3H]EBOBを用いて測定し,その構造と活性との関係を3次元定量的に解析した.その結果,哺乳類と昆虫のアンタゴニスト結合部位におけるいくつかの違いが明らかになった.
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Research Products
(1 results)