1999 Fiscal Year Annual Research Report
中国産バンレイシ科植物の抗腫瘍性アセトゲニン類に関する生物有機化学的研究
Project/Area Number |
10660117
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Research Institution | COLLEGE OF TECHNOLOGY, TOYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 陽光 富山県立大学短期大学部, 農業技術学科・生物生産専攻, 教授 (70005651)
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Keywords | バンレイシ科植物 / バンレイシ科アセトゲニン / 殺ブラインシュリンプ活性 / 抗菌活性 / 植物生長抑制活性 / シクロヘキセン誘導体 |
Research Abstract |
平成10年度の実績報告書で述べたように、中国産バンレイシ科植物爪馥木(Fissistigma oldhamii)及び山椒子(Uvaria purpurea)からのバンレイシ科アセトゲニン類の単離を引継ぎ試みた。すなわち、まず爪馥木(Fissistigma oldhamii)についてその乾燥葉のメタノール抽出、クロロホルム抽出、酢酸エチル抽出などの操作を行って得た各フラクションについて、バンレイシ科アセトゲニン類に特徴的な不飽和ラクトンの発色試薬であるKedde試薬などを用いてアセトゲニン類の検出を行ったが、いずれのフラクションも顕著な発色を示さなかった。次に山椒子(Uvaria purpurea)の心材部及び乾燥葉を同様にメタノール抽出後ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、n-ブタノールで順次抽出した。各フラクションについて殺ブラインシュリンプ活性を指標として抗腫瘍活性物質の検索を行ったが、顕著な活性は認められなかった。しかし、酢酸エチルフラクションを薄層クロマトグラフィーで分離精製したところ、抗菌活性及び植物生長抑制活性を示すシクロヘキセン環化合物zeylenol,zeylenoneが得られた。後者は未知物であることが分かった。このことについては日本農芸化学会1997年度大会(講演要旨集 p265)において報告した。さらに、本年度は新たに番茘枝(Anonna Squamosa)について生理活性物質の探索研究を行った。上記の爪馥木の場合と同様に、その乾燥葉についてメタノール抽出、クロロホルム抽出、酢酸エチル抽出などの操作を行ってアセトゲニン類の検出を行ったが、現在までのところ確認に至っていない。以上のように、三種の植物からのバンレイシ科アセトゲニン類の単離にはこれまでのところ成功していないが、現在さらに検討中である。
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