1999 Fiscal Year Annual Research Report
小腸冊子縁膜との相互作用を指標にした乳脂肪球膜糖タンパク質の生理機能解析
Project/Area Number |
10660121
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 幹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20144131)
|
Keywords | 乳脂肪 / 乳脂肪球皮膜 / ブチロフィリン / 小腸冊子縁膜 / ミルク |
Research Abstract |
乳脂肪球皮膜(MFGM)タンパク質は新生児腸管内での乳脂肪の消化・吸収に重要な役割を果たすという仮説に基づいて、乳脂肪球皮膜糖タンパク質と小腸冊子縁膜との相互作用を解析した。MFGMタンパク質の中で、主要成分であるブチロフィリンとMFG-E8を大腸菌で組換え型タンパク質として発現させた。すなわち、ブチロフィリンの細胞外ドメイン、およびMGF-E8の2種のバリアントのcDNAをPCRで増幅し、大腸菌発現ベクター、pGFXに組み込んで、GSTとの融合タンパク質として発現させた。IPTGによる発現誘導後、菌体を回収して超音波により破砕し、遠心分離により不溶性および可溶性タンパク質を回収した。目的のGST融合タンパク質は不容性画分に存在したため、尿素で可容化して透析後、グルタチオンカラムで精製した。得られた組換えブチロフィリンとMFGM、さらにマウスミルクより分離したMFGM画分をPVDF膜にスロットブロットし、そこに哺乳期仔マウスより調製した小腸冊子縁膜小胞を反応させた。MFGMあるいは融合タンパク質に結合した冊子縁膜をそのマーカー酵素であるマルカリホスファターゼの活性染色により検出した。MFGMおよび融合タンパク質はいずれも弱いながら冊子縁膜結合活性を示し、対照として用いたGSTでは活性は認められなかったことから、MFGMは小腸冊子縁膜と相互作用を示すと推定し、さらに研究を進めた。MFGMおよび融合タンパク質を非還元下でSDS処理し、SDS-PAGEで分離後、PVDF膜に転写した。そこに冊子縁膜小胞を反応させ同様にアルカリホスファターゼ活性染色を行ったが、特定のバンドは検出されなかった。今後、アフィニティーカラムなどの未変性状態での相互作用の解析を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Aoki,N.,Yamaguchi,Y.,Ohira,S and Matsuda T.: "High fat feeding of lactating mice causing a reduction in fat and energy content in milk without affecting the apparent growth of their pups and the procuction of major milk fat globulemembrane components MFG-E8 and butyrophilin."Biosci. Biotechnol. Biochem.. 63・10. 1749-1755 (1999)
-
[Publications] Oshima,K.,Aoki,N.,Negi,M.,Kushi,M.,Kitajima,K.and Matsuda,T.: "Lactation-dependent exression of an mRNA splice variant with an exon for a multiply O-glycosylated domain of mouse milk fatglobuleglycoprotein"Biosci.Biotechnol.Res.Commun.. 254. 522-528 (1999)