1998 Fiscal Year Annual Research Report
オボトランスフェリンの殺菌ドメインの構造と機能に関する遺伝子工学的研究
Project/Area Number |
10660129
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
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Keywords | オボトランスフェリン / 殺菌ペプチド / トランスフェリン / 抗菌性 / 構造 / 遺伝子規模 / 酵母発現 |
Research Abstract |
オボトランスフェリン(OTf)は686個のアミノ酸残基から成る卵白の主要タンパク質で、ラクトフェリン(Lf)、血清トランスフェリンと共にトランスフェリン(Tf)ファミリーに属する。Tfファミリーには、N-およびC-ローブにそれぞれ1個の鉄を結合するという共通の性質があり、高い構造の相同性がある。また、鉄を結合することから静菌作用を示すことが古くから知られてるが、Lfにはこの外に鉄吸収の調整、免疫調節、抗炎症作用、抗菌作用がある。OTfとLfとの間には高い構造類似性があるにもかかわらず、OTfの殺菌作用についての研究は行われてこなかった。我々はOTfから鉄結合の有無に関係なく殺菌活性を有するドメインを分離し、OTAP-92と命名した。OTAP-92はN-ローブの表面にあり、3個のSS結合をもっており、その中の2個はループを形成していた。OTAP-92の独特の構造モチーフは、OTfの機能発現に重要であることが強く示唆された。このOtf-A92の構造と抗菌活性との関係は明らかにするため遺伝子工学的手法を用いて研究を行なった。まず、鶏輸卵管からOTfのmRNAを分離し、逆転写酵素プロトコルによってOTfのcDNAを合成した。このcDNAをM13mp19プラスミドとともにpT7Blueベクターにクローニングした。さらに、cDNAにカッティングサイトとストップコドンを挿入して、N-ローブおよびC-ローブのcDNAも構築した。全OTf、C-ローブ、N-ローブを酵母Saccharomyces cerevisiaeAH22で発現させた。今後、N-ローブcDNAを使ってOTf-A92の変異体を作る予定である。
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Research Products
(1 results)