1998 Fiscal Year Annual Research Report
クエン酸麹の耐酸性アミラーゼと可食性マイクロカプセル製造
Project/Area Number |
10660131
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
菅沼 俊彦 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90117515)
|
Keywords | α-アミラーゼ / 耐酸性 / サブサイト / クエン酸麹 / アスペルギルス / 分別定量 / ガラクトシル化 / マルトオリゴ糖 |
Research Abstract |
クエン酸発酵は、サツマイモ澱粉粕を原料とする鹿児島県独自のリサイクル産業技術であり、その発酵後の麹抽出液には、グルコアミラーゼ(GA)に加えて耐酸性に富むα-アミラーゼ(AA)と中性α-アミラーゼ(NA)が含まれている。 培養50時間のクエン酸麹からブチルトヨパールなどの各種クロマトグラフィーにより、比活性23U/mgの電気泳動的に均質な精製AAを得た。同様にNAも培養40時間のクエン酸麹から精製した。両α-アミラーゼは分子量並びにN端アミノ酸配列が異なった。還元末端を放射性グルコースで標識したオリゴ糖を基質として用い、AAの切断様式を調べたところ、中性タイプのタカアミラーゼAなどとは異なる挙動を示し、AAは5つのサブサイトを持ち、触媒部位は3番目と4番目のサブサイトの間にあると推定できた。 臨床検査用の市販合成基質G3-CNPを用いたとき、AAはチオシアン酸カリウム添加でそのGNP遊離速度が抑制されるが、NAでは逆に著しく活性化されることを見出した。そこで混在するGAなどのエキソ型の酵素の影響を受けないように、セラミック担体に固定化したガラクトシダーゼを用いて、非還元末端をガラクトース残基でブロックした基質GA1-G3-CNPを新たに合成した。新合成基質は予想通りGAでは分解されず、AAとNAにより分解され、上記チオシアン酸カリウム添加効果もG3-CNPと同様であった。
|