1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660133
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
菊崎 泰枝 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (60291598)
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Keywords | ショウガ / ジンゲロール / ショウガオール / デヒドロジンジャージオン / ラジカル捕捉活性 / 抗酸化活性 |
Research Abstract |
ショウガの乾燥根茎を塩化メチレンで抽出し、各種カラムクロマトグラフィーを繰り返し、炭素鎖の長さの異なるgingerol、shogaol、dehydrogingerdioneを単離した。各化合物はHPLCによって単一化合物であることを確認の上、NMR、MS測定により同定した。これらは1位に4-hydroxy-3-methoxyphenyl基を有する炭素数8〜14個の直鎖アルカンで、1位、3位、5位の置換基が異なるジンゲロール関連化合物である。本年度はこれらジンゲロール関連化合物について、DPPHラジカル捕捉効果、食品系評価モデルとして水-アルコール系におけるリノール酸の自動酸化に対する抑制効果および油系におけるリノール酸メチルの加熱・強制通気酸化に対する抑制効果について比較検討した。ラジカル捕捉活性はshogaol、gingerolが約60%であるのに対し、dehydrogingerdioneは約40%で有意に低かった。リノール酸に対する自動酸化抑制効果は、同じ炭素数のものを比較するとshogaol>gingerol>dehydrogingerdioneの順であり、ラジカル捕捉能と対応していた。また、gingerd、dehydrogingerdioneは炭素鎖の長い方が有意に活性が強く、shogaolも炭素鎖の長い方が活性の強い傾向にあった。油系における活性は、gingerol、shogaolがリノール酸メチルの酸化誘導期を3〜4倍延長する効果を示し、一方、dehydrogingerdioneは8倍延長する強い活性を示した。本年度の結果から、ジンゲロール関連化合物のラジカル捕捉能にはアルカン部の構造が影響していること、リノール酸酸化抑制効果にはラジカル捕捉能の強弱に加えて、アルカン部の炭素数が影響することが判明した。また、油系においてラジカル捕捉活性の最も弱いdehydrogingerdioneが強い活性を示したことから、抗酸化性はラジカル捕捉能のみならず抗酸化物質と基質との親和性や熱に対する安定性にも影響されることが推察された。
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