1998 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高機能性木質炭素材料の開発-金属高分散担持木炭の調製と環境触媒としての応用
Project/Area Number |
10660156
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 勉 北見工業大学, 工学部, 教授 (20125389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船木 稔 北見工業大学, 工学部, 助手 (90113711)
射水 雄三 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10125388)
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Keywords | 機能性木炭 / ニッケル担持 / 金属・木炭複合体 |
Research Abstract |
木質炭素(木炭)に金属粒子が高分散担持した金属・木炭複合体(MCC)を調製するには、木炭前駆体(木材)と原料金属を分子レベルで複合化する必要がする。本研究では、その予備実験としてジエチルアミノエチルセルロース(DEAE-C)、トリエチルアミノエチルセルロース(TEAE-C)、シアノエチルセルロース(CE-C)の窒素分子に対するニッケル分子のキレート的導入を検討した。水溶液含浸で酢酸ニッケルを種々のpH(pH調整には塩酸、アンモニアを使用)でこれら改質セルロースに添加し、それらのIRスペクトルを観測した。その結果、DEAE-CではpH5,7,9では1570cm^<-1>付近COO^-に由来するピーク、pH9,11では1320cm^<-1>にNH^<3+>に関係するピークが現れた。また、ニッケル水溶液の色はpH5,7では透明な緑、pH9,11ではそれぞれ白濁した緑、青を呈した。この状況はTEAE-C、CE-Cでも同様であり、アルカリ側ではニッケルが主にアンモニア錯体として取り込まれることを示している。次に、これらニッケル担持セルロースの500℃炭化を行い、得られた炭化物(char)中の金属ニッケルの平均結晶子径(L_<Ni>)をX線回折によって測定した。CE-Cでは加熱によって液体化してcharを与えなかったが、DEAE-C、TEAE-Cではcharが生成し、そのL_<Ni>はpH5から9への増加により増加して11では減少した。char中のニッケル含有量についても同様な変化が認められた。しかし、DEAE-CではTEAE-Cより小さいL_<Ni>を与え、ニッケル含有量は多かった。この結果は、木材をDEAE化してpH9よりやや低い領域でニッケルを担持するとMCCが得られる可能性が高いことを示している。
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