2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しい高機能性木質炭素材料の開発-金属高分散担持木炭の調製と環境触媒としての応用
Project/Area Number |
10660156
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 勉 北見工業大学, 工学部, 教授 (20125389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船木 稔 北見工業大学, 工学部, 助手 (90113711)
射水 雄三 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10125388)
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Keywords | アミノエチル化 / ジエチルアミノエチ / カルボキシメチル化 / 微粒ニッケル / 金属・木炭複合体 / 機能性木炭 |
Research Abstract |
昨年度はアミノエチル化(AE)したダケカンバ木粉にpH7でNi^<2+>がキレート的に導入され、500℃炭化物(Ni/AEWC)上に金属ニッケルが高分散性担持される結果としてCO2水素化によるメタン化反応を効果的に触媒化することを明らかにした。本年度はジエチルアミノエチル化(DEAE)の効果を検討した。即ち、ダケカンバ木粉に2-ジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩20%水溶液を加え、次に水酸化ナトリウム20%水溶液を加えて室温で放置した。この処理で到達したセルロースOH基当たりの最高置換度は1/44であった。この最高置換度のDEAE木粉を所定量のニッケルを含む酢酸ニッケル水溶液(pH7)に浸漬、水洗乾燥後500-650℃で1h炭化、次に得られた炭化物(Ni/DEAEWC)を固定床流通系反応装置に移し、420℃で0-40h水素還元処理した後300-500℃でCO2の水素化を行いメタン生成に対する触媒効果を調査した。Ni/DEAEWCの触媒効果は炭化温度500-550℃でNi量増加と水素還元時間の延長によって増大するが、同じ炭化温度、Ni量、水素処理で比べるとNi/AEWCには及ばなかった。これはX線回折やSEM-EDXによれば、DEAEWCでもAEWCと同様に微粒金属ニッケルは生成するが、主に炭化物表面に存在するためにCO2の水素化中では金属ニッケルの凝集による不活性化を防止出来ないためと考えられる。しかし、活性炭や未処理木粉にニッケルを担持したものより触媒活性ははるかに高く、DEAE改質の効果は認められた。 また、カルボキシメチル化(CM)及びAE、DEAE木粉に銅を担持した炭化物を上記と同様の方法、行程で調製し、200-500℃でNOx還元反応に対する触媒作用を調べた。その結果、これらの銅担持改質炭化物(Cu/CMWC,Cu/AEWC,Cu/DEAEWC)の触媒効果は未処理炭化物(Cu/UTWC)のそれをはるかに上回り、銅担持活性炭とほぼ同等の効果を有することがわかった。このことから、AEやDEAEはCMよりいく分劣るもののの金属の高分散担持のための前処理として有効であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)