1998 Fiscal Year Annual Research Report
樹木ポリフェノールの消臭活性部位に関する有機化学的研究
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10660162
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
光永 徹 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20219679)
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Keywords | 消臭性 / ポリフェノール / 縮合型タンニン / アンモニア / メチルメルカプタン / 付加縮合反応 |
Research Abstract |
本研究では樹皮および抽出物の消臭性に着目し、その効果とメカニズムに関する基礎資料を提供することを目的としている。これまでのところ、樹皮およびその抽出物のNH_3、CH_3SHに対する消臭効果について検討し、それらの高い消臭効果が認められている。また、アルデヒド類で架橋したワットルタンニンのCH_3SHに対する消臭効果は、アルデヒド類のかさ高さと深く関係しており、特にアセトアルデヒド処理物はもっとも消臭効果が高いことも明らかにした。そこで今回は架橋反応において塩酸濃度を変えて付加縮合反応を行い、その消臭効果および消臭メカニズムについて検討した。 消臭試験はCH_3SH濃度約0.015%(7ppm前後)と約0.3%(110ppm前後)の2種類で行った。その結果、塩酸濃度が上がるにしたがい付加縮合物の消臭率も上昇し、12Nにおいてはほぼ完全かつ速やかにCH_3SHを消臭した。これまでの実験で、WEに対するアセトアルデヒドのモル比が高くなるにつれて消臭率の上昇が認められていたが、今回の実験では十分な量のアセトアルデヒドであっても酸濃度によって消臭率が大きく異なることが分かった。また酸濃度が上がるにつれて試料の色が濃くなり、12Nでは紫色を呈した。これは酸化による架橋の進行により生じた多くの共役系によって形成されるものと予想される。よって、求核性の高いCH_3SH分子が共役系のサイトに取り込まれることにより消臭作用が発現したのではないかと推論できる。また、色彩色差計での測定から塩酸濃度の低い試料間では大きな差が見られないが、高濃度では著しく数値が変わり、色の変化を反映した。このことから、塩酸濃度の高い条件で調製した試料では架橋が速やかに進行し、共役系サイトが多く形成され濃い色が出ているであろうと思われた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Mitsunaga,T.Doi,Y.Kondo,I.Abe: "Color development of proanthocyanidins in vanillin-hydrochloricc acid reaction" Journal of Wood Science. 44・2. 125-130 (1998)
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[Publications] Y.Tsutsumi,A.Shimada,A.Miyano,T.Nishida,T.Mitsunaga: "In vitro screening of angiotensinI-converting enzyme inhibitors from Japanese cedar (Cryptomeria japonica)" Journal of Wood Science. 44・6. 463-468 (1998)