1999 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域活性化のための木質繊維植物ケナフの栽培と利用に関する研究
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10660166
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
鮫島 一彦 高知大学, 農学部, 教授 (50038254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 慶人 高知大学, 農学部, 助教授 (30253339)
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Keywords | ケナフ / シュウ酸アンモニウム / パルプ化 / 靭皮繊維 / 飼料 / 和紙 |
Research Abstract |
1.シュウ酸アンモニウム処理ケナフ靭皮繊維の常圧蒸解では、非常に粘度の高いパルプを製造できることが示された。しかし、実用化のためには漂白段階での脱リグニン負荷を大幅に低減する必要がある。従来、木材に適用されている高温(170℃付近)での蒸解では木材と何等変らない低い粘度のケナフ靭皮パルプしかできない。そこで、常圧と従来の高温との間の中間温度でのパルプ化を試みたところ粘度低下は蒸解温度に比例して低下、脱リグニンは大幅に粘度が低下してから始めて進むことを明らかにした。今後は漂白条件について検討する予定である。 2.ケナフ葉部の未知酸性物質はハイドロキシクエン酸(ハイビスカス酸)であるとする間接的な証拠が集積されたが、まだ単離同定に至っていない。多くの解離基と水酸基を有するため吸湿性が高く、不安定なため、通常の条件では結晶化せず、誘導体も作り難い。文献調査の結果から、ダイエット食品として有名なガルシニア酸の異性体と考えられ、その生理作用など今後の検討次第では、単に飼料としてだけでなく、人間の食品としての開発も期待される。栽培方法も葉だけの生産であればハウス園芸での冬場の生産も考えられ大いに今後が期待される。
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Research Products
(1 results)