1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660181
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
荒井 克俊 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (00137902)
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Keywords | 異数体 / ドジョウ / 三倍体 / DNA量 / 染色体 / 核型 / B-染色体 / 青種 |
Research Abstract |
1. 二倍体x三倍体交配由来異数体の生存能力:受精後第二極体放出阻止により作出した人為三倍体(3n)ドジョウ雄7年魚より得た精子(DNA量モードは約1.3C)により、正常二倍体(2n)の卵を受精したところ(2nx3n)、約30%が孵化し(対照2nx2n,80%)、うち24%が正常であった(対照,96%)。孵化仔魚の染色体数モードは50(2n)〜59(2.4n)に分布し、2ヶ月令の幼魚の相対DNA量は2.2〜2.5Cであった。以上の結果から、2nx3n交配に由来するドジョウは高二倍性(〜2.5n)異数体であるが、生存可能であることが判った。核型中に過剰なB-染色体が1〜5本見られたが、その出現機構は不明であった。 2. 四倍体x三倍体交配由来異数体の生存能力:3nの精子と4nの卵の受精(4nx3n)から生じた子孫1年魚について調査した結果、これらはいずれも体躯の歪曲等を伴う奇形を示したが、3.0〜3.5CのDNA量をもつことが判った。したがって、4nx3n交配に由来する高三倍性(〜3.5n)異数体ドジョウも生存性であることが確認できた。 3. 異数体魚の特性:2nx3nおよび4nx3n交配由来の異数体魚において、摂餌を開始し、比較的長く生存した個体でも外見上の奇形を示した。高三倍体魚について組織学的に調査したが生殖腺の発達(卵巣あるいは精巣への分化)は確認出来ず、この点については継続調査が必要であった。
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