1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗ペプチド抗体によるコイ補体第2・第3成分の機能解析
Project/Area Number |
10660184
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 実樹 九州大学, 農学部, 助手 (50212080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 友紀 九州大学, 農学部, 教授 (90038266)
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Keywords | 魚類 / コイ / 補体 / 免疫 / 抗ペプチド抗体 / C2 / C3 / B因子 |
Research Abstract |
先に我々は、コイから2種類の補体B因子/C2様のcDNA(B/C2-A,B/C2-B)を単離し、B/C2-Aは他の脊椎動物のB因子/C2のホモログであるが、B/C2-Bはドメイン構造の異なる新規補体成分であることを明らかにした。本研究は、これら2つのB因子/C2の機能を解明するために、両成分の推定アミノ酸配列から抗原性の高い部分配列を抽出し、抗ペプチド抗体を作成し、その抗体の特異性などを検討した。B/C2-AおよびB/C2-Bの推定アミノ酸配列から、EMBLのPredictProteinサーバーを用いて二次構造を予測し、分子表面に露出していると考えられるターン構造をとる部分を、2ケ所(D因子による切断部位、およびvonWillebrand factorドメイン内)選択した。これらを基に、15アミノ酸残基からなるペプチドを計5種類合成し、それぞれをkeyhole lympet hemocyaninと結合させた後、フロイント完全アジュバントとともにウサギの皮下に投与した。抗体はBSA-ペプチドを抗原として用いたドットブロット法によって検出した。3ヶ月間の免疫によって抗体価2000〜8000の抗血清が得られた。これを硫酸アンモニウム沈殿で分画後、ペプチドを固定化したFMP活性化セルロファインカラムを用いてアフィニティー精製した。ウエスタンブロッティングにおいて、作成したすべての抗体は、正常コイ血清中の分子量約90kDaのバンドを認識した。一方、ザイモサン処理によって補体を活性化した血清に対しては、90kDaのバンドの他に、66kDaおよび60kDaのバンドが認識された。これらの結果は、コイ補体B因子/C2は90kDaのタンパク質として血清中に存在し、補体の活性化に伴って66kDaおよび60kDaに断片化されることを示している。
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[Publications] Nakao,M.et al.: "Two diverged complement factor B/C2-like cDNA sequences from a teleost,the common carp(Cyprinus carpic)." Journal of Immunology. 161・10. 4811-4818 (1998)
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[Publications] Endo,Y.et al.: "Two lineages of mannose-binding lectin-associated serine protease(MASP)in vertebrates." Journal of Immunology. 161・10. 4924-4930 (1998)
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[Publications] Nakao,M.: "Structural and functional identification of complement components of the bony fish,carp(Cyprinus carpio)" Immunological Reviews. 166. 27-38 (1998)
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[Publications] Nakao,M: "Molecular cloning of multiple forms of carp C3" Molecular Immunology. 35・6-7. 388 (1998)