Research Abstract |
1998年7月6日の昼(13:00-17:40),夜(21:30-24:00),7月7日の朝(8:30-11:00)の3回,琵琶湖北湖,彦根の沖合において,プランクトン類,特にヨコエビの空間分布を調べた。また,現場試料の採取と平行して,多項目水質プロファイラーによる環境諸要因(水温,電気伝導度,光束透過率,クロロフィルa濃度,溶存酸素濃度)の測定も行った。ヨコエビの分布状況は以下のとおりである。7/6の昼:水深0m層(0個体/30m^3),6.5m層(0個体/30m^3),12m層(0個体/30m^3),20m層(4個体/30m^3),30m層(500個体/30m^3);7/6の夜:水深0m層(0個体/30m^3),8m層(2個体/30m^3),12m層(50個体/30m^3),20m層(2000個体/30m^3),30m層(1個体/30m^3);7/7の昼:0〜30mのいずれの水深も0個体/30m^3。主に夜間にヨコエビが湖底から変水層付近に浮上する事はすでに報告しているが,今年度の調査でも,やはり夜間に大量のヨコエビが変水層付近まで浮上してきていることを確認した。採取したヨコエビなどのプランクトン試料の一部は固定せずに氷冷し,残りの試料は現場でホルマリン固定し,ともに実験室に持ち帰った。氷冷試料については,実験室内で無菌的にすりつぶし,ビブリオ菌用の選択培地であるTCBS培地に接種し,最も個体数の多かった7/6の夜間試料(水深20m)からビブリオ属細菌を3株選抜することに成功した。また,ヨコエビとビブリオ菌の共生実験を行うための予備実験として,氷冷試料を用いてヨコエビの飼育条件の検討を行い,低温(5℃)・暗所ならば市販の観賞魚用の餌料を用いて,数ヶ月に渡りヨコエビの室内での飼育が可能になった。 V.anguillarumJ-O-1に特異的に反応するモノクローナル抗体を産生ずるハイブリドーマ細胞の培養を現在行っており,目的の抗体の反応性を確認後,ホルマリン固定試料と選択培地で選抜した細菌株について間接蛍光抗体法による確認作業を行う。
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